KEVINサイトウの一日一楽 

人生はタフだけれど、一日に一回ぐらい楽しみはある。

9.11

2006年09月11日 | sports
 5年前の今日、同時多発テロがNYで起きた。
 WTCがスローモーションの映画のように瓦解する光景が今でもはっきりと脳裏に浮かぶ。

 NYに行った時に、観光地?と化しているグラウンド・ゼロと呼ばれる事故の跡地を訪れ、慄然となった。

 近代史において、こんな重要な日を休刊日にする日本の新聞というメディアは何を考えているのだろうか。

 過去に、平和が一瞬のうちに阿鼻叫喚の世界に転じる瞬間を三度見たような気がする。

 それは、阪神淡路島沖地震であり、オーム心理教のサリン事件であり、NY同時多発テロだ。

 地震は自然災害だ。自然の脅威に対する人間の無防備さに、人間の驕りを感じた。
 原始の人達は、もっと自然に対して謙虚だった。
 自然に抗うような無茶な構築物は作らなかった。
 驕りが被害を一層大きくしてしまった。

 一方、サリン事件、同時多発テロは人為的なものだ。

 世の中には、光り輝く善意が存在する。
 しかし、その対極に闇のような悪意も確実に存在することを二つの事件は知らしめた。

 アナキン・スカイウォーカーが引き寄せられたダーク・サイドのような世界が、僕たちの生きる世界にはあるのだ。

 僕たちは、このダーク・サイドに勇気を持って立ち向かわなくてはならない。戦わなくてはならない。

 僕の好きな作家で、近いうちにノーベル賞を取るのではないかと言われている村上春樹は、サリン事件を契機に作風が変わった。

 それは、一言で表すとDETACHMENT(現実からの離脱)からCOMMITMENT(現実への積極的な関与)への転換だ。
 村上春樹は文章において、そして彼の創り上げる作品において、ダーク・サイドと対決しようと毅然に意思表明した。
 その転換を示すエポック・メイキングな作品が「ねじまき鳥クロニクル」だ。

 一人一人がきちんとCOMMITMENTすることによって、世の中は変わると考えるのは甘ちゃんか?でも、そう考えるしかない。

 しかし、ダーク・サイドは、ひとつの現象や感情と裏表の関係にある事に注意しなくてはならない。アナキンが愛する人のためにダーク・サイドに落ちたように。

 そして、9.11がブッシュやネオ・コンに代表される無知で身勝手なアメリカ的・キリスト教的正義感に反発して起こったように。

 常にメガネが曇らないように、僕たちは知性で心を磨き続けなければならない。
難しいことだが。必ず。

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2 コメント

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Unknown (sato)
2006-09-12 16:20:41
5年前のあの夜

『戦争が始まるね』という、母からの携帯のメールであのニュースを知りました。

背筋の凍る思いをしたのを今でも覚えています。

ダーク・サイドはダレの心にも潜んでいるのですよね。

何かを守ろうとしたとき、愛したとき、憎んだとき・・・

いろいろな感情が錯誤する中で、感謝の心を忘れずに平和を願いたいものです。



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ダーク・サイド (KEVIN)
2006-09-14 18:07:08
 こんなヘビィーなBLOGにコメント貰えるとは思っていませんでした。

 SATOさん、ありがとう。



 SATOさんの言うように、ダーク・サイドは誰の心にも潜んでいると思います。



 オームにはまった人も、アルカイダも悪いことをしたという自覚は無かった筈です。





 従い、重要なのは、真実の善と悪、闇と光を見極めることが出来る知性だと思います。



 そんな思いを込めて「メガネが曇らないように・・・・」と書きました。



 
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