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勉強かあさん

仕事・育児・勉強について綴ります

デスモプレシンと旅行

2009-08-22 08:36:06 | 中枢性尿崩症

しばらく旅行に行くので、冷蔵保存しなければならないデスモプレシンをどのくらい常温で運べるのか色々調べていました。お医者様からは病院(自宅から1時間の距離)から持ち帰るのは常温で大丈夫ですよと言われていましたが、旅行となるともっと時間がかかるので。(なんだか「お持ち帰りは何分ですか?」と聞かれるケーキみたい)


そうしたら協和のサイトに出ていました。


デスモプレシン点鼻液・スプレーは冷所保存とされているが、2~3日旅行に携帯することは可能か?



温度変化による安定性を、サイクル試験にて実施しているが、特に問題点は確認されていないので、温度変化に対して比較的安定と考えられ、旅行に携帯することは可能である。


デスモプレシン点鼻液


 35℃、3日間保存後、5℃、3日間保存(1サイクル)を2回繰り返す(2サイクル)。


 外観変化、含量(残存量)変化は認められず、ほぼ100%を維持しており安定であった。


・デスモプレシン・スプレー2.5


 35℃、3日間保存後、5℃、4日間保存(1サイクル)を5回繰り返す(5サイクル)。


 外観変化、含量(残存率)変化は認められず、ほぼ100%を維持しており安定であった。



2,3日ぐらい余裕のようですね。どうせなら1週間ぐらい常温テストして欲しいですが。


常温テスト以外にも凍らせたりしているのもすごいですね。薬は保存について色々指示されますが、想定外の状況のためテストしてくれているんですね。


とりあえず保冷剤といっしょに持っていこうと思います。






デスモプレシン

2009-08-09 15:49:29 | 中枢性尿崩症

昨日、子供の中枢性尿崩症の治療薬「デスモプレシン」をもらってきました。


中枢性尿崩症が約3万人に1人(中枢性尿崩症の会より)という珍しい病気のため、普通に近所の調剤薬局に行っても在庫がなかったりしますが、注文すれば翌日には仕入れてくれます。


この薬を使えば、大量のおしっこ、大量の飲水という悪循環から即座に開放されます。薬が効いているときは治ったかのように錯覚しますが、切れれば即逆戻り。使用量は朝晩2回鼻にスプレーするだけでごくわずかですが、ホルモンというのは微妙なバランスの上に成り立っているのだと実感させられます。


症状が一番酷い時には、1日3.5リットル(体重の5分の1以上)の水を飲んで、同じ量のおしっこをしていましたから、今や手放せないありがた~いお薬です。しかし、問題があります。デスモプレシンは冷蔵保存しなければならないのです。


ちょっとした旅行などでは常温で持ち歩くことは可能みたいですが、基本的に冷蔵庫にいれておかなければならないので、常に持ち歩くことは出来ません。


それから、この薬は鼻にスプレーをするのですが、風邪を引いて鼻がつまっていたりすると効かない場合があるようです。先日、熱を出したので母に預かってもらったのですが、鼻が詰まっていたか、不慣れなスプレーだったせいか、薬が途中で切れてしまい、仕事から帰ってみたら2リットル以上水を飲んでいました。


外国ではデスモプレシンの錠剤が認可されているようですね。なぜか日本では認可されておらず、便利なようで不便な点鼻薬の形で使っています。なぜ認可されていないんでしょう?患者の会に入れてもらって、情報収集しようと思っています。


今、子供に対して一番心配しているのは、病気そのものよりも、もし地震などの災害があって瓦礫にはさまれたりして薬が切れたらどうしようということです。他の人が2,3日生きられるところが、この子の場合はすぐ脱水症状になってしまうでしょう。日頃かばんに薬を入れておければ安心感も違うのですが、要冷蔵ではそうもいかず。基本的に日中使用しない薬を保育園に預かってもらうのもどうかなと思って、保育園には持たせていないのですが、どうしたものか困っています。


たとえ薬が切れてしまっても、短期間なら多飲多尿になるだけですぐに危ない状態になるわけではないですが、避難所でひとりで何リットルも水を飲んだら嫌がられるでしょうね。うーん、困るなぁ。






中枢性尿崩症<その3>

2009-07-18 08:50:56 | 中枢性尿崩症
今年の1,2月はなんとなくおしっこの量も減って落ち着いていたかにみえたのに、3月に入るとまた夜中に起き出して水を飲むようになりました。

普段夜トイレに行く時は「怖いから一緒に行こう」と言っていたぐらいなのに、水を飲むとなると別だったようで、真っ暗なキッチンで冷蔵庫の明かりを背後に子供が水を飲んでいる姿に、油をなめているろくろ首の絵が頭に浮かび、思わずギョッとしたこともありました。

おねしょの量もハンパでなくなり、おむつを履いているのに量が多すぎて漏れてしまい、ほとんどオムツを履いていないのと同じ状態。なんだか腕が生ぬるいな~と思ったら子供のおもらしが私の腕のところまできていたこともありました。

おまけに2ヶ月おきに撮っていたMRIの画像で下垂体が前より少し膨らんで見えるということでますます不安が膨らんできた頃、近所の総合病院の先生が都心の大学病院へ移られたのでそこで入院して検査しようということになりました。

前回近所の総合病院で行った水制限試験や高張食塩水負荷試験だけでなく、髄液検査や眼科の検査、結核の検査など目白押し。尿崩症は発生原因がいくつかあるので、それらについてここぞとばかり全部調べてもらいました。

その結果、脳腫瘍などの疾患は見つからなかったものの、抗利尿ホルモンの値が前回検査と比較して明らかに下がっていました。そのため前回はなんでもなかった高張食塩水負荷試験が、高濃度の食塩水を点滴し始めてしばらく経った頃「頭が痛い」と言い出して、先生が検査の中止を検討している間に吐いてしまいました。検査中止後ももう一度吐いてしまい、「これが以前先生がおっしゃっていた体への負担か」と改めて思ったのでした。

そんなわけで最終的な診断は「特発性中枢性尿崩症」。「特発性」というのは今回初めて知ったのですが、原因が特定できないものをこう呼ぶらしい。原因は分からないけれど、脳下垂体の一部の機能が損なわれた結果発生したとのことです。

残念ながら中枢性尿崩症の場合、下垂体機能が回復することは難しく治る事はないようです。でも抗利尿ホルモンであるデスモプレシンを鼻から吸入すれば、おしっこをコントロールすることが出来ます。

デスモプレシンの効果は劇的で、大量に買い込んでいたおむつが退院後にはほとんどいらなくなるほど、おもらし、おねしょの回数が減りました。それまでは、30分おきにしていたおしっこが3~4時間おきになり、夜もパンツで寝られる生活。おしっこの回数が減ると同時に水分摂取も減り、その分食欲も出てきました。

このデスモプレシンは効いているときと効かなくなったときが、スイッチのON,OFFのようでとてもはっきりしています。点鼻薬のためうまく薬が入らないときがあるのか、未だに気が付いたら大量のおねしょなんてこともありますが、薬を使う前の生活に比べれば夢のよう。

今も何が原因なのかつらつら考えますが、高熱が出たとか頭をぶつけたというようなことはありません。今後も隠れた脳腫瘍がないか MRIや血液検査を続けます。気になっているのは成長ホルモンを出す部分まで機能障害が及ばないかということ。検査では成長ホルモンが出ていましたが、尿崩症の症状が出始めてからほとんど背が伸びていないのです。先生は食事が十分取れなかったためだろうとおっしゃっているのでそれを信じるしかないですね。

中枢性尿崩症は厚生労働省の「小児慢性特定疾患治療研究事業」対象なので、先日申請してきました。年収によって、一定の医療費補助を受けられるというものです。

子供の医療費については、この前テレビで医療費補助の地域格差について知ったので、改めて書きたいと思います。

中枢性尿崩症<その2>

2009-07-13 23:11:40 | 中枢性尿崩症
近くの総合病院に検査入院することになったものの、負荷試験といって飲水制限やバソプレッシン(抗利尿ホルモン)負荷試験、成長ホルモンの負荷試験、高張食塩負荷試験(体内に高濃度の食塩水を点滴する)などが提示され、高張食塩負荷試験は本当の尿崩症だったら体に負担がかかると言われたので、まだ小さいのに負担がかかる試験をいきなり行うのはかわいそうだと思い、高張食塩負荷試験を除く試験を1回目の入院では行ってもらったのでした。

インフルエンザの注射でも大泣きしていた子が、点滴の針を刺され、何度も血を採られ(痛くないよう点滴のところから血を採っていただきましたが)、でも本人的には注射よりつらかったのが、やたら水を飲んでいたのがいきなり20時間近くの絶食絶飲。「ご飯はいらないけど水を飲みたい」と泣く子に何もしてあげられず、「涙を出すとその分のどがかわいちゃうよ」と慰めるしかない無力な母でした。

最後の方は大泣きしていたものの、何とか終わって退院し、結果を待つのみと週末のんびり公園で友達と遊んでいたら、「やっぱり高張食塩負荷試験もやりましょう」という病院の先生からの電話が(涙)。

結局また飲水制限もやることになり、子供にとってはつらい12月でしたが、高張食塩負荷試験は恐れていたような体の負担はなく、一連の検査の結果は抗利尿ホルモンは比較的出ているので、心因性の多飲多尿だろうとのことでした。

心因性と言われて複雑な思いでしたが(だって5歳の子供が強迫観念で水を飲んでいるとしたらそれはそれでどうしたものか分からないし)、とりあえず様子を見ようということになりました。

そんなこんなで1月に入り、寒くなったせいか、さすがに夜中に水を飲みに起き出すこともなくなり、日中のおもらしも少し減った気がして、「少しよくなったかな」と希望が持てた新春の頃でした。

<つづく>

中枢性尿崩症<その1>

2009-07-12 14:07:01 | 中枢性尿崩症
今までブログをほとんど更新していなかったけれど、書くか書かずにおくか迷ってました。

まあ、そろそろ書いてもよいかなと。
同じ病気の方の参考になればと思います。

それは去年の秋から始まりました。

その時5歳だった子はそれまでもおねしょはしていたのですが、上の子も小学校に上がるまでおねしょをしていたくらいなので、うちはそういうものだぐらいに思っていました。でも日中のおもらしが1日に5回ぐらいと急に増え、保育園から持ち帰る洗濯物が山のように。お昼寝のときもおねしょで布団から染み出て床をぬらすほど。

さすがにおかしいと思い、ちょうどその頃保育園の看護士の先生からも一度小児科に相談したらどうかとお手紙をいただいたこともあって、泌尿器科も併設している小児科を受診しました。

二分脊椎は何かの本で読んで知っていたので二分脊椎か、水を大量に飲むので糖尿病ではないかと心配していたけれど、レントゲンをとってもらったり尿検査をしてそれらは否定。膀胱炎もなしということでおしっこをコントロールする薬をもらいました。

おしっこをコントロールする薬を飲んでもあまり変わらず、重篤な病気でなさそうだから大丈夫かなと薬が終わった後しばらく何もしていなかったのですが、夜中も何度も起きて水を飲んだり、あまりに水分を取るので食事が取れず痩せてきて皮膚がカサカサになってきたりとやっぱりおかしい。

それで、かかりつけの小児科の先生に相談したら「大きな病院の小児科で検査してもらった方がいいよ」ということで、近くの総合病院を紹介していただきました。

かかりつけ医に相談したのが11月中旬。

私がなかなか仕事を休めないので、夫が暇になる11月末でいいやと紹介された総合病院へ行ったのが11月末。

今思うと、その頃は私自身に精神的に余裕がなくて、子供の病院もつい後回しにしていました。

なんですぐ総合病院に連れて行ってあげなかったんだろう。本当に母親失格です。

紹介された総合病院で、脳腫瘍の可能性もあるからとMRIを取ったり、検査入院することに。そんな大変なことになっているとは、と後から電話をもらって呆然としたのでした。

<つづく>