小馬太郎兵衛@タコのイカ踊りぃっ!!

ブログの老後をユラユラ楽しむ悦楽ブログって言ったけどさ、もう一発くらい狙ってもいいのかな。やってもいいかな?

さよならは言わないで

2008-03-10 11:11:46 | 競馬の話をしようか
まさか土曜日に中山競馬場に居合わせたことが、「サンアディユ事件」への伏線になるとは…。

サンアディユ大出遅れの翌日に急死 - Nikkansports.com - Yahoo!ニュース

昨年のスプリンターズSで2着に入り、高松宮記念でも有力候補になるとみられていたサンアディユ(牝6、栗東・音無)が9日、栗東トレセン内の馬房で心不全のため急死した。
 今年初戦となった前日8日のオーシャンSで1番人気に支持されたが、16着に敗退して栗東に帰厩。音無師が朝、様子を見た際には異常はなかったが、正午前に馬房で倒れ、獣医師による懸命の措置も実らず午後0時10分ごろに息を引き取ったという。音無師は「原因ははっきり分からない。あんな馬とは、なかなか出会えるものじゃない。残念としか言いようがない」と肩を落とした。
 サンアディユはオーシャンSの発走前に、ゲート内で他馬が後ろ扉を蹴った音に驚いて前扉に突進するなどして、大きく出遅れた。スタートのタイミングをめぐって関係者から不満の声が上がったが、JRAでは「そのこととは関係ないのでは…」と、同馬の死との因果関係を否定していた。


You Tube - 第3回オーシャンS(Jpn3)

バックヤードでは、レース前の発走状況について、当日夕方になってJRAが異例の謝罪会見を行うほどの騒ぎになっていた。
この記事は前日9日付けでスポーツ紙各紙が配信しているが、なぜかサンスポが一番手厳しかった。

JRAが大失態!出走態勢整わないまま発走…異例の謝罪会見 - SANSPO.COM

8日の中山競馬11R・夕刊フジ賞オーシャンS(GIII、芝・外1200メートル、16頭立て)で、JRAのスターターの不手際のため、複数の馬が出遅れるアクシデントがあった。その結果、断然人気のサンアディユは最下位の16着に敗れ、3連単は152万1320円の大波乱。他馬に騎乗していた騎手らから不満の声があがり、JRAは異例の謝罪会見を開いた。



 「開けるよ」。スターターのそのひとことに騎手は混乱、出走馬の準備が整わないままゲートは開き、複数の馬が出遅れた-。

 JRAの失態で大波乱となったオーシャンS。ことの発端は圧倒的人気の(4)サンアディユが、隣枠の(5)アイルラヴァゲインが後肢で後ろ扉を蹴った音に驚き、興奮。ゲートから飛び出そうとしたことだった。

 そのサンアディユが前扉の下から潜り出ようとする仕草を見せたため、スターターの川崎由量発走委員は発走台上から、係員に出走できる態勢にするよう指示。だが、収まりはつかなかった。

 同馬がもう1度頭を下げた直後、川崎委員が台上から「開けるよ」と発声した。実は、サンアディユ鞍上の内田博幸騎手をはじめ複数の騎手は、ゲート後方で他の発走委員3人が後ろ扉を開けるかどうか相談する声を耳にしていたため、「開けるよ」のセリフは後ろ扉が開くことを意味し、ゲート入りはやり直しとなると思っていた。

 ところが、実際に開いたのは前扉。いきなりスタートが切られたことで発走態勢が整わずにゲートを出た馬が複数いた。大きく出遅れたサンアディユは、馬自体がパニックになっていたため内田騎手も仕方なしの表情だったが、他馬の騎手からは「後ろに出すと言われたので準備していたら、スタートを切られた。重賞なのにこれはダメ」「GI(高松宮記念)に向けての大事なレースなのに、これはないよ」と不満の声が。まともなスタートをした騎手も「あれでは勘違いするよね」。

 圧倒的1番人気馬が最下位に沈み、他馬も実力を発揮できないまま終わったレース。JRAは急きょ、会見を開き、川崎委員は「サンアディユについては頭を下げ硬直していたので、あの状態でスタートすると蹉跌(さてつ=躓く)する危険性があったので(当初は発走合図を)待った。その後『開けるよ』と騎手にいい、スタートを切った」と説明。「普段は台上から声を発することはないが、より安全性を確保するために(騎手に)声をかけたことが誤解を招く結果になった。申し訳ないと思っています」と謝罪した。


ちなみに、この記事の下に小さく「過去の発走時のトラブル」として、1997年12月20日の5回中山7日目7Rの3歳(旧年齢)500万下のカンパイの例があるが、この時もおいらは中山のスタンドにいて生で見ちゃっていたりなんかして。

それはともかく。

この発走状況については、芝1200メートルのスタート地点が向正面、それも奥深い外回りの一番奥からの発走、しかも以前エントリでちらりと触れたとおり、双眼鏡が不具合を起こしてしまっていて、頼りになるのはターフビジョンから伝わる映像のみだったから、発走状況がどのようなものだったかは、観客に伝わりづらい出来事だったのは間違いない。ましてやYou Tubeでリンクした映像を見てもらえれば分かると思うのだが、この映像を見たとしても、ゲート内で暴れて前扉からくぐって出ようとしていたのが、他ならぬサンアディユ自身だったというのは、実況を聞かなければ理解できないと思うのだ。これはスタンドで見ていた観客も皆そうで、ゲートインが完了してもなかなか前扉が開かないから、誰かが体勢を崩しているな…ということはわかるのだが、それが誰なのかはいまいちよく分からない。
ゲートで潜り込むサンアディユをなだめようと駆け寄る緑の服のケートの係員の中、一人黒いジャケットで不安そうに近づき、最後にサンアディユの様子をうかがっていたら緑の服の係員に掴まれて走路の内側に引かれていったのが、他ならぬサンアディユの厩務員さん。
この厩務員さん、まさか発走態勢が整う数秒の間に、天国から地獄へと叩き落とされる伏線になるとは、この時一体誰が予想しえたことだろう。

案の定、大きく出遅れたサンアディユ。
スタンドから沸き上がる大きな悲鳴。
サンアディユは必死に着順を挙げようと3角から捲り加減に上がって行くも、こんなアクシデントがあるとレース前にレースが終わってしまうのと一緒で、結局力を出せずしんがり負けの16着。

まあ、ここまでならよくある話ではあるが、まさか栗東に帰厩して半日後に、あんなことになるとは…。

死因については、馬のプロでさえ分からないものを、俺達一般ファンが推測できるはずもないのだが、おそらくはレース前のゲートのことが一因にあるのかも知れない。
ゲート内で他の馬が蹴っ飛ばした音にびっくりしてパニック状態になり、その中でスタートが切られて訳も分からない状態でレースが終わり、相当なストレス状態だったのは想像ができる。それが全てではないにしろ、尋常ならざる精神状態が負担を与えたのではないかと思うのだ。

オーシャンSのレースにしても、ネット界隈だといろいろ議論が巻き起こってはいるが、おいら自身はあれでスタートをやり直せとかは思わない。
あれが例えばサンアディユのゲートだけが開かなかったとかであれば、むしろ「真正な発走とは認められない」から、やり直しすべきだとは思うが、ゲートで物音を立てるのも驚くのも、それが競馬だと思うから。あれがサンアディユだからスタートをやり直せというのであって、あれがエムオーウイナー(逃げ粘って2着で大穴の片棒を担ぐ)だったらだれが文句を言うというのか。
まあ、あの出遅れは、競艇なら間違いなく出遅れ返還欠場ものだが、競馬にはそうした規定はないから、致し方あるまい。むしろ、あれで文句をいうのなら、フェブラリーステークスでフィールドルージュが故障発生競走中止して「金返せ」と騒いでいた連中や、その昔、人気馬が出遅れて馬券が紙くずになるたびに騒いでいた連中と、レベル的には大して変わりがないではないか。本当にくずかごに火を付けるかどうかは別として。馬にはなんの責任もないのだから。

ただ、それと発走態勢のJRAの不手際とは全く別の問題で、このレースの発走態勢は叩かれて然るべき。危険を回避するというのなら、サンアディユが潜って硬直した時点で、他馬を一旦ゲートから出すべきではなかったか。
そういう意味では、ゲートが開いた時点で、すでに「真正な発走であるとは認められない」という見方も出来るが…ね。

こうして悲劇のヒロインになってしまったサンアディユ。

さよならは言わないで…。・゜・(ノД`)・゜・。

  

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