電車男読了

昨日買った「電車男」の本を、たった一日で読了。昨日、船橋の旭屋書店で最後の一冊を手に入れられたのは幸運だったようで、今や品切れ店続出らしい。現に最初に入った本屋さんでは売り切れの張り紙。
今や複雑怪奇な人間模様が受ける世の中にあって、こんな純愛物語も珍しいので、機会があれば皆さんもご一読を禿しくお勧めする。しかしこの物語、映画化の話もあるらしいが、どうやって映画化するつもりなのやら。読んでみれば、この話を映画化するには「根本的に」無理があることに気がつくはずである。
この電車男が、女性と食事に行く日に、洋服屋へ駆け込んで服や靴を買い込んだり、頭を切るのに６０００円も使って美容院へ行ってくる下りがあるのだが、俺は…、初デートの時でさえ、そんなことはしなかったなあ。
一度、「俺の誕生日が初デート」って時があって、その時は、誕生日がお正月に限りなく近いってこともあったけれど、おめかしなんて考えなかったなあ。考えるどころか、朝、その日の仕事をこなすまでがさあ大変。早く終業の午後４時にならないかと、そりゃもう朝から考えることはそればっか。午後４時きっかりに仕事場を一目散に飛び出し、新木場から有楽町線に乗り継いで、待ち合わせの池袋駅西口地下噴水広場へ、もう、エサに駆け出す犬みたいだったなあ。今思えば、少しぐらいは格好を気にしろよって思うのだけれど、当時はなにぶんフリーターの身。毎月のお給金は入ってくるものの、元々が自分にはあまり投資をしない質だったこともあって、そこまで考えなかった。少しは考えろと自らを説教した２５の夜。しかしフリーターだったから貯金はないし、デート代は自らの本やゲームを売ったりしてなんとか捻出していたほどで、デートでＧＡＰとか行っても、せっかくなのだからいろいろと着る物を見繕ってもらえばそれなりに面白かっただろうに、「金がない」って理由だけであまり見ようとはしなかった。今思えば、だけれど、なんともったいない時間を過ごしていたのだろう。ＧＡＰでさえこれなのだから、丸井やパルコなんぞ行った日には…。財布の中をのぞき込む自分がなんとも情けない。
そういえば最近、間接的に「ちったあおめかしくらいしなさいよ」と言われたことがあるような。それはデートというほどではないのだけれども、女性に会いに行った時の話。そう、床屋で一週間前に髪の毛を切ったらやりすぎて切りすぎ、会う人みんなにさんざん笑われていた時だったので、翌日は、出勤時でもこんなには気合いを入れないぞというくらい、髪の毛をドライヤーで固めてスーパーハードジェルで決めたら、その日は何も言われなかった。そうか。ラフじゃいかんのか頭は。休みの時くらいいいじゃんと思いつつも、後から考えれば、それも立派なおめかし、でしょ？
服はわけあってシャツ一枚だったけど。
馬券や旅行に投資するのもいいけれど、たまには自分に投資してみなさいよと、暗に説教された２９の夜。