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ケンタシノリのバルコニーから眺めて

勘太と夜中の便所(その19)

「それじゃあ、もう一度目を開けてごらん」
「本当に化け物はいないの?」
「化け物もゆうれいもいないわよ。目を開けたらすぐ分かるから」
 お千代が口にしたおまじないの言葉を信じて、勘太はふたたび目を開けることにしました。
「あっ、本当だ! 化け物もゆうれいもここにはいないぞ!」
 勘太は、便所のあなが開いているところにまたがるようにしゃがみました。
「ジョボジョボジョボ、ジョジョジョジョジョジョ~ッ」
 ずっとガマンしていた勘太のおしっこは、いきおいよく便所のあなの中へ向かって出し続けています。小さなお寺へやってきてから、夜中におしっこをすることができたのは初めてのことです。

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