カモシカさんの山行記録・旅日記etc.

山は心のふるさと。登山(アルプス~低山まで)・ハイキング・小旅行の気ままな記録です。

「昇太・たい平 二人会」 <沼津寄席>

2011-03-01 | 小さな旅

 

 「昇太・たい平 二人会」 <沼津寄席>

 

 

 「チケットは 完売いたしました」 ・・・・・人気の沼津寄席、販売開始ですぐ席は埋まる!

 

 寄席とは言うものの本日は「沼津文化センター小ホール」にての「ホール落語」だ。

 昼の部・夜の部の2回公演であるが、全席指定のチケットは既に完売の盛況ぶり。

          

  前売り指定券販売日の初日には、早起きしてチケットをゲットしましたよ~!

  でも、上には上がいるもので 今回は最前列が取れませんでした。

          

  「2列17番」、まあいつもの寄席で観る距離とそう違わないポジションなのでよしとしよう。

  人気の公演はチケットの入手が大変だが、全席指定なのでゲットしてしまえば、

  当日はゆっくり出かけて、ゆったり噺を楽しむことができる。

  人気の落語家が出る日は、びっしり立ち見のできる末広亭の熱気も捨てがたいが、

  本日は、VIPな落語会である♪

 

  本日の二人会  登場の落語家は

   林家たい平  &  春風亭昇太

 

 お二人とも長寿番組『笑点』でお馴染みの落語家なので、紹介するまでもなく

 皆さんよくご存知なので、割愛します。 

 (カモシカは『笑点』は滅多に見ないのですが・・・・・
                            天気のいい日曜日なら山帰りの途中ですから)

 

 豆知識程度に 沼津や静岡県との縁について。

 たい平さんは、沼津の「つむぎや」にて 毎年2回程着物を仕立てている縁で

 沼津は大好きな地なのだそうだ。TV番組の「途中下車の旅」でも沼津をPR!してくれた。

 沼津の干物が大好きで、干物バーガーも召し上がったとのこと!

 方や、昇太さんは 旧清水市の生まれ育ち。ちびまる子ちゃんの活躍の舞台のあの清水だ。

 静岡県人として、お隣の清水市の人として ある種波長は大いに合う。 

 また、城郭に興味のある人で沼津市の旧跡や山城跡にも出没アドマチックな落語家である。

 亡き(昇太の)柳昇師匠が三島や沼津で落語会や独演会を数多く行った縁もあり、

 当時はまだ真打前で、二つ目で場を盛り上げていた昇太。

 真打になってからも しばしば沼津の高座を盛り上げてきた昇太。

 それ故、沼津の地や沼津港の魚や寿司をこよなく愛する。

 

 私は、『笑点メンバー』というのは、全てが好きなわけではない。TVに出ているといかにも

 噺が素晴らしい落語家なのかと世間の多くは勘違いしているが、中には実力より人気先行で

 手抜き落語を演じる方もいる。

 しかし、本日のお二人の落語は 大汗をかきかきの一所懸命の大熱演であった!!

 

 

                  

 たい平さんは、正統派のうまい噺をやる。いや、丁寧な一所懸命さが結果として

 上手さとなっている。 言葉ひとつ一つの発声も几帳面なくらい基本ができている。

 そして、独り芝居の落語に欠かせない所作や目線の動かし方が見事!手抜きがない。

 登場人物の置かれている場所にもリアリティーがあふれる。土器(かわらけ)投げや

 土器(かわらけ)の飛び方までもここまで丁寧に熱演する実直さが好きだ。

 演目は古典落語の定番「愛宕山」

      あらすじ

江戸の幇間=一八。旦那のお供で、芸者.幇間衆と京都の愛宕山へ遊びに出かけた。口は達者だが、なかなか息が続かない。途中の茶店で、旦那と土器(かわらけ)投げに興じるが、旦那ほどうまく投げられない。旦那は、”もったいない”という声に耳もかさず三十枚の小判を土器がわりに投げてしまう。”小判は、拾った人の物”と、言われた一八、茶店で傘を借りパラシュート代わりに谷底へ飛び降りようとするが、怖じ気づいて飛び込めない。旦那に命じられたもう一人の幇間=繁八が背中を突いたので、一八は谷底へ。夢中で小判を拾いあつめたが、さて、どうやって上に戻るか... 略

            

    昇太さんは、新作をメインに 古典も手がける落語家だ。  

    師匠の柳昇の影響も多分にあると思われるが、枝雀のアクションもかなり下地にして

    いるとみる。新作は新作で卓越した大爆笑を生むが、それだけに留まらないところが

    チャレンジャーだ。古典落語もこなすのだ。

    ただ、私が思うに彼の古典落語は、昇太流アレンジで ある種新作だ。

    某落語家のように古典落語の中にわざとらしく 現代ネタを挟むのではなく

    古典は古典としてやりきる。ただ、全編の中に昇太さんのキャラクターが強烈な

    アレンジ性をもって独自の噺を構築している点では、ある種新作としても

    力を持っているのだ。  

   今回も古典落語の定番 「宿屋の仇討ち」

         

        あらすじ

 ある旅籠に万事世話九郎と名乗る侍が宿をとる。この侍、前夜泊まった
 小田原宿で、周りがあまりにもうるさかったために寝不足。
 そこで、狭くても良いが静かな部屋へ案内してもらいたい、と言う。
 ところが、隣の部屋には江戸の魚河岸の威勢のいい三人組。案の定どんちゃん騒ぎが始まる。世話九郎は宿の番頭伊八を呼びつけ隣に苦情を言って静かにさせようとする。再三、伊八に注意させたためか、ようやく三人は床につくがおしゃべりは止まらない。三人の中の源兵衛が、三年前に川越で石坂段右衛門という侍の新造と深い仲になり、段右衛門の留守中に間男している所へ弾右衛門の弟石坂大助に見つかった、と話しはじめる。源兵衛は成り行きで大助と新造を手に掛け五十両の金を奪って逃げた、と言う。同行の二人は「源兵衛は色事師、色事師は源兵衛。」とはやし立てる。
 それを聞いていた世話九郎、宿の番頭の伊八を呼んで「万事世話九郎とは、世を忍ぶ仮の姿。まことは川越の藩中にして石坂段右衛門。」と名乗り、明朝、宿場はずれで出会い敵として切り捨てる、と言う。源兵衛は、「あの話は、両国の小料理屋で小耳に挟んだ話で、おらぁ、いっぺんこの話をしてみたかっただけだ。」と種明かしをするが、世話九郎は「さような言い訳によって、この場を言い逃れんとする不届き至極の極悪人め。」と言って聞き入れない。伊八に三人を柱に縛り付けるように命じる。伊八は躊躇するが、縛り付けなければこの場で三人を手打ちにする、と言う。伊八は部屋を汚されたくないので、宿の者を集め、三人を柱にくくりつけてしまう。三人は生きた心地がしない…。
翌朝、一睡も出来ず泣き腫らした三人とは対象的に爽やかに目覚めた世話九郎。
何事もなかったように出発しようとするので宿の者が「仇打ちは?」尋ねると、「そんなものは知らん」と答えたが、ハタと気がつき、
世「ああ、夕べのあれか。あれは座興じゃ」
宿「なんだって、そんな出まかせをおっしゃったんで?」
世「あのくらい言っておかないと、拙者が夜っぴて寝られん」

 

 若手から 中堅へ! 今や脂の乗り切った元気ハツラツのお二人であった。

 人気と実力を兼ね備えた落語家として、

また、老いても重鎮として落語界をリードしていく活躍を期待したいものである。

今回は、高座で一所懸命な熱演に大いに笑うと同時に

天下泰平な沼津の地で、のような心があったかくなる感動すら覚えた

落語会なのでした~。   たい平 & 春風亭なだけに・・・・・・・♪

 

 

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2 コメント

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Unknown (つばさ)
2011-03-02 08:59:06
贅沢ないい取り合わせの二人会ですね。
席もいいところが取れましたね。
二人とも名前が売れて、年月が経ち、もう若手とはいえないんでしょうが、落語界では、まだ若くて、実力があって、元気がもらえる噺家だと私も思います。熱演ぶりが目に浮かびます。
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つばささん ( カモシカ)
2011-03-02 22:04:55
このところ山はお休みで 「カモシカ 春の落語まつり」の様相です。

>席もいいところが取れましたね
寒い中ひたすら窓口が開くのを待つのは少々辛いですが、やっぱり前で観ないとね!

>熱演ぶりが目に浮かびます
沼津に何らかの縁があるお二人、恩人・知人が会場にいればいつも以上にハッスルしますね!
お二人とも勢いのある噺家なので、後味もすっきりな笑いです♪
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