イノテック105のレビューに続き、イノテック105の注油方法について。
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イノテック105を使うには初期処理が必要で、一番最初は対象物を完全に脱脂しなければいけません。この初期処理はチェーンだけでも良いかもしれませんが、チェーンと接触するフロントチェーンリングやスプロケットも処理しておくのがきっとベター。脱脂には灯油やディグリーザーを使いますが、灯油はともかくディグリーザーに含まれる微少な油分を除去するために煮沸したり洗剤を使うパターンもあったりします。私はチェーンのみ完全脱脂。私の言う完全脱脂は、灯油でジャブジャブ、ディグリーザーでブシューッ、台所用洗剤でゴシゴシ、最後に水で良く濯いでからドライヤーで乾燥です。フロントチェーンリングはディグリーザーを含ませた布で拭く程度、スプロケットはホイールから外してディグリーザーをスプレーする程度に脱脂しています。
※完全脱脂は一番最初だけで、日常的な注油や洗車は普通に行ってOK。
イノテック105はその他の一般的なOILと使用方法が異なります。その時々で注油の方法を変えていますが、私の中では大きく分けて3通りの注油方法があります。1つ目が完全脱脂を行う初期処理工程のパターンで、これは最初だけ。2つ目が日常的に注油を行うパターンで、普通のOILと同じ様にチェーン全体に行き渡る様に使います。3つ目が今回記事にする「チェーン洗浄」を兼ねるパターン。
1.OILをチェーンへ浸透させます。付属品にキャップタイプの刷毛がありますが、OILの量が分かりづらいので私はノズルの細い穴を直接チェーンに当てて出しています。普通の注油より少し多め、それでも下に垂れない程度にOILを使い、チェーンの隅々までOILを浸透させます。 リアのスプロケットへも行き渡らせるため、クランクをゆっくり回しながらリアディレイラーを「静かに」変速させ、全てのスプロケットでチェーンを回します。
※サラサラなOILなので、ガチャガチャやると飛び散って大変な事になる。フロントの変速(特にアウターからインナー)は同様の理由でOILを沢山使っている際には行わない。
2.ウエスでチェーンを掴みながらクランクを回し、浮いてきた汚れと一緒にOILを拭き取ります。代理店サイトにある使用方法の動画を見ると、本来はたっぷりとOILが垂れるほど使い、イノテック105の成分によって溶解された汚れを洗い流すのが正しい使い方みたいです。汚れが酷い様なら同じ作業を繰り返します。
3.ある程度綺麗になったら最後にもう一度OILを浸透させます。刷毛を使ってあげると無駄が無いかもしれません。
4.フレームやホイールに飛んでしまったOILを綺麗に拭き取って作業終了。 この後は一日乾燥させます。イノテック105は時間をかけて乾燥しながら皮膜を形成するらしく、この乾燥工程が必要との事。私は毎日乗っていないので何ら苦になりませんが、乗る日の前夜だと完全乾燥は厳しそう。
ランドナーのチェーンも綺麗にしました。どちらかと言うと現代ロードより旧車のチェーン周りが綺麗でいてくれる事の方が嬉しい。
イノテック105を拭き取った後のウエスを使って汚れ易いクランクやフロントチェーンリング・リアのスプロケット周りを拭きあげると、とても綺麗になります。たぶんフッ素コーティングもしてくれるので一石二鳥。
写真(上)は「一晩」乾燥させた状態。乾いてきましたが、まだOIL感が残っています。イノテック105を塗って数日間放ったらかしにしていると、非常に分かり易く「ラッピング」したようにテカテカします。
さて、一応これで終える予定の記事でしたが、代理店のマニュアルをあらためて確認し、随分豪快に注油して「汚れを流している」動画を見て、マニュアル通り汚れを洗い流すイメージでもう一度作業を行ってみました。個人的には4パターン目の出現、代理店的には正規の方法ですが。
勿体無い精神を封印して、ポタポタと汚れを洗い流す様にイノテック105を使いました。クランクを逆回転させながら滴るくらいにOILを使い、汚れの溶解を20分程待ってからキャップに付属の刷毛でゴシゴシと擦ります。次に、再度汚れたOILを流すようにOILを追加。それでも、思っていたよりは量を使わず、200mlボトルの10分の1強位の使用量でした。今回は一度綺麗にしていたので、汚れたチェーンだともっとOILを使うと思います。
確かに、OILを垂れない程度に浸透させてウエスで拭き上げていた私のやり方よりも随分綺麗になりました。ただ、表向きよりもチェーン内部に蓄積していた汚れをしっかり除去する事に意味が有りそうです。この後は24時間どころか数日は使わないので、完全に乾燥を待ってから乗る事が出来そう。巷での評判がすこぶる良いので過度な期待を抱き過ぎますが、あまりにも気にすると逆に精神衛生上良くないので、自分成りに納得している「現状」で満足するのが妥当かもしれません。
今使っているのは200ml入りの小さなやつ。容器のノズル先端をカットして使いますが、刷毛になっているオマケが蓋を兼ねています。気にする程では無いかもしれませんが、その蓋はボトルから刷毛をダイレクトに使える様に貫通しているので、成分を揮発させない為にサランラップをノズルの口に被せて保管しています。
代理店のトライスポーツURL ※正しい使用方法も書いてあります。
http://www.trisports.jp/?q=news/node/5948