スイセン;水仙(ヒガンバナ科)花言葉は、自己愛;崇高。鮮やかな緑の剣葉に守られた水仙の葉は一茎ごとに必ず白い袴をつけて根元を乱さないみだしなみと、雪中花の名で呼ばれるように、水仙にはうちに秘めた精気があり、雪の中で花を開くその姿に、苦しいき時でも人の情けを借りずに自力で生き抜く人間の姿への思い入れが、愛されるゆえんであろう。白い花の中に金色の杯に似た黄色の副冠が美しく、その先に芳香のある白花を数個つける。その姿から中国では金盞銀台と呼ばれる。蜀山人は「しろがねの台にこがねの盃の花はいわずと人やすいせん」とす詠んだ。水仙の花は海岸近くに群生するが、多くは切花用に栽培される。福井県の越前岬や静岡県伊豆の瓜木崎は群生地として有名。「水仙に光微塵の渚あり 水原秋桜子」「水仙の花のうしろの蕾かな 星野立子」「水仙を生けて日脚を顧みる 後藤比奈夫」「水仙を剪る錆びし鋏を花に詫び 林 信子」「水仙の吹かるる影のもつれけり 清崎敏郎」「水仙の葉先までわが意志通す 朝倉和江」「家ありてそして水仙畠かな 一 茶」「水仙の束解くや花ふるへつつ 渡辺水巴」「一茎の水仙の花相背く 大越悦央子」「水仙や古鏡のごとく花かゝぐ 松本たかし」「水かへて水仙影を正しけり 日野草城」「水仙や来る日来る日も海あ荒れて 鈴木真砂女」「水仙の枯れ行く花にしたがふ葉 安住 敦」「水仙が水仙をうつあらしかな 矢島渚男」「水仙に蒼き未明の来てゐたり 島谷征良」「水仙のひとかたまりの香とおもふ 黒田杏子」「明るさは海よりのもの野水仙 稲畑汀子」「遠きまま船の去りゆく野水仙 櫨木優子」。(水仙の ほかに 生家の 記憶なし ケイスケ)