「○○君逝き昭和は遠くなりにけり 中村草田男」平成も四半世紀に達しようという今、明治生まれを見つけるのは難しくなつた。「白い花彼岸に咲かす澄んだ声 江口 徹」「新しき波を起こして渚消え 三好日出一」「お別れに並ぶ巨人と卵焼き 小園逸郎」「歳なんか鼻であしらう芥川 草野克行」「クルム伊達勝利のたびに齢いわれ 賀茂長命」「百年をくじけず生きて詩集閉じ 湯町 潤」郷愁と諦観の響きに心はひかれる。今生きる僕らは、ずつとずつと将来、「平静は遠のく」と詠まれたら、バカヤロウと空の上からドラナけりばならない。大島渚監督追悼句。天国でも「バカヤロウ」と叫んでおられるだろうか?