宮沢賢治の童話「雪渡り」を簡単にしてみました。
賢治の詩や童話は類例もない程優れている。
賢治の作品が現れるまで、
そのような童話は日本にはありませんでしたし、
またそのような詩もいままでの日本にはありませんでした。
賢治の詩と童話の出現は、日本近代文学史の中で画期的な一つの事件である。
草野心平
そして賢治が鉱物の調査研究にも従事していたことが彼の作品の宇宙観にも
飛び火していて,ずば抜けてユニークな童話になっています。
詩人賢治が童話を書いたのですもの詩的でロマンチックに流れる星になった。
もちろんここはSL銀河号賢治ライブラリーの中から後編スタート!
雪の凍った十五夜の月夜が来ました。
紺三郎にもらった幻燈会の入場券には11歳までと書いてあります。
兄さんたちは参加できないので鏡餅をお土産に持たしてくれました。
お月様は空に高くのぼり森は青白い煙に包まれています。
小さな雪靴を履いてお餅を担いだ四郎とかん子は森の入り口に
立っていました。
狐の生徒はたくさん集まって皮をぶつけあったり、
相撲を取って遊んでいました。
狐の子たちは肩車をして、お星さまを取ろうとしていました。
林の中は、月の光が青い棒を何本も斜めに投げ込んだように
射しておりました。
お土産を見た狐の子たちが喜びました。
「かた雪かんこ、しみ雪かんこ、
かたいお餅はかったらこ、白いお餅はぺったらこ」
大きな木の枝に白い敷布がかかっていました。
笛がピーとなりました。
「お酒を飲むべからず」
大きな字がスクリーンに写りました。
次にお酒を飲んでいるおじいさんの写真が写りました。
キックキックトントン、キックキックトントン。
しみ雪しんこ、堅雪かんこ、
野原のまんじゅうはポッポッポ!・・・・・
狐の女の子が持ってきたキビ団子のお皿が四郎とかん子の前に
置いてあります。
「キツネの紺三郎さんが僕らをだますなんて思わないよ。」
私たちは人をだますなんて無実の罪をきせられていたのです。
だまされたという人は、たいていお酒に酔ったり、
臆病でくるくるしたりした人です。
四郎とかん子はキビ団子をみんな食べました。
その美味しいことは、ほっぺたが落ちそうでした。
キツネの子供たちは、あまりに喜んでみんな踊りあがってしまいました。
お月様はまるで真珠のお皿のようです。
お星さまは野原のつゆがキラキラ固まったようです。
キックキックトントン、キックキックトントン。
昼はカンカン日のあかり、
夜はツンツン月あかり・・・・・・・・
四郎もかん子もあんまり嬉しくて涙がこぼれました。
素晴らしい賢治ワールドです。
キツネの子供たちが作ったキビ団子を躊躇なく四郎とかん子が
全部たいらげました。
評判の悪いキツネの作ったものを、人間が食べてくれた。
キックキックトントン、キックキックトントン。
「昼はカンカン日のあかり、
夜はツンツン月あかり、
たとえ体を裂かれても、
キツネの子供はウソいわない。」
キックキックトントン、キックキックトントン。
「昼はカンカン日のあかり、夜はツンツン月あかり、
たとえ凍えて倒れてもキツネの子供は盗みはしない。
たとえ体がちぎれてもキツネの子供はそねまない。」
キツネの子供たちは、あまりの喜びにみんな躍りあがって
いました。
四郎もかん子も嬉しくて涙がこぼれました。
笛がピーと鳴りました。
●「罠(わな)を軽蔑すべからず)
木に掛かった大きな白い敷布に大きな字が写りました。
こん兵衛が罠に左足を捕られた景色がでました。
「きつねコンコンキツネの子、キツネのこん兵衛が罠に足入れ
コンコンバタバタ コンコンコン。」
●「火を軽蔑すべからず」
大きな字が現れました。
キツネのこん助が焼いたお魚をとろうとして、お尻に火が付き
キャンキャンキャン。」
笛がピーッと鳴り、スクリーンの幕は明るくなりました。
「みんな、今夜は深く心に止めなければいけないことが
あります。キツネのこしらえた物を賢い疑いのない心の人間
のお子さんが食べて下さったことです。」
燕尾服を着て水仙の花を胸に付けた、小キツネの紺三郎
が言いました。
「大人になっても、ウソをつかない。人をそねまない。」
キツネの評判を良いものにしていきましょう。」
キツネの子供達は、みんな感動して両手を挙げたり、
ワァーと立ち上がりました。
沢山の目からキラキラした涙がこぼれています。
小キツネの紺三郎が「今夜のご恩は決して忘れません」
二人に丁寧にお辞儀をしました。
帰りの道を歩いている四郎とかん子のポケットに、
追いかけてきたキツネの子供たちがドングリや青光りしている石
だのを入れて、風のように逃げ帰っていきます。
森を出て野原を二人は歩きました。
青白い雪の野原の真ん中で、三っつの黒い影が向こうから
やってきました。
心配をした兄さんたちが、出迎えに来ていたのでした。
キツネを代表して賢治様に有難うをいいます。
四郎とかん子は兄さんたちにこの夜の出来事を、口をすっぱくして
何度も何度も言ったに違いありません。
だって、
ホッペタも落ちそうなキビ団子の味が忘れられないんですもの。
☆彡 賢治は言う。
身近な所から宇宙がはじまると。
これはもう描いたのでしたと書かせてください。
郷土的な愛着心溢れる物語ですね。
遠まわしにそっと何かを伝えたい 歌のように踊りのように
楽しく明るく 賢治の願いの心象を受けとめますよ。
キックキックトントン 嫁欲しい。
何度も賢治はこの本に書きました。
家庭的な幸せを作ってもらいたかったですね。
差別と偏見が溶けてなくなると、深い喜びが心の底から胸の奥から
キックキックトントンとお知らせにきます。
キックキックトントン!
ここまでのお付き合い有難うございました。
かなり簡潔にしてしまい賢治様ごめんなさい。
ほいな!
またね!
きてね!