私が頼まれる仕事といえば、Jazz,R&B,Funk,Gospel,Pops....などがほとんど。
大概エレピかオルガンかピアノの音で対応、たまにBrassやStrings、シンセなどなど。。
それがね、今回来ちゃったのよ~。超シンセ仕事が
「keico, R&B系大丈夫だよね?キーボード2台弾ける?」
って言うから軽く
「もちろん弾けるぜ。」
と答えたら、送られて来た音源がいわゆる今時の打ち込みバリバリサウンド。
R&Bって、、、いっつもやってる感じのじゃないの??(汗)
ちなみにキーボードは私一人、ギターも一人だけ。計4人でこのサウンドを再現しろというのか!?
というか、ほとんどキーボードにすべてがかかっている。
さてさて、こういうお仕事になりますと「私ピアノのテクニックこんなにあります~」
というのは全く関係なくなる(全くではないけど・笑)
何が必要ってあーた、機器をどんだけ使いこなせるかよ!!!
ピアニストはダイナミクスや表情を全てテクニックで表現するのですが、シンセサイザーは
音色で勝負!みたいなところがあって、ようは事前の準備が相当必要なわけです。
最新の機材を使いこなす知識と情報と情熱が必要。
というわけで、日本にいた頃は出来るだけ避けて通って来ました。私はシンセサイザーを使いこなすキーボーディストをほんと尊敬します。
だって家機材だらけになるし、荷物多いしセッティング大変やし配線大変やし、もし本番でコンピュータに不具合が出たら・・・とかも考えなあかんし・・。
ほんま大変!音色選ぶセンスも必要やし、なんか求められたらパッと対応できなあかんし。。
卒倒しそうやろ?
でもね、今回引き受けちゃったもんね。やるしかない。
しかも大好きなベーシストからのお誘いだったので、絶対やりたい!
しかし・・・今ある機材じゃ対応できんぞ、これ。
というわけで、1台はMacをキーボードにつないで操作。そしてもう1台は・・・
思い切って購入しました!
さて、機材はそろって一安心・・・なんて言ってる暇はなく
元々膨大に入っている音源の中から欲しい音を探さなくてはいけないのですよ。
しかも今回の曲は先にも述べた通り打ち込みバリバリのものなので、「どんだけ音色使ってるねん?」と蹴りたくなるくらいの多さ。
そん中から「これは外せない」っていうのピックアップして、もちろん譜面ももらえないので譜面起こして、初めて使う機材を取説見ながら音色を選びメモリーしていく・・・
いやー、書いてるだけでしんどい。(読んでてもしんどい?)
その上、さらに、ですよ、選んだ音色が何かちょっと物足りないな~~、なんて思っちゃうわけで、それをEditするわけですよ。えっと、どうやんねん?ってまた取説。
2台ではとても足りないので1つの鍵盤を3つに分けて使ったり。どこに何をどんな高さで入れたか覚えるのも必要。
そんでですよ、すべて選び終わった後に全部の音色を比べて音量がでこぼこしないように調整。じゃないとこの音使ったときは異様にでかくて、こっちの音は小さいってなるからね。。
そんなんやってるとどんどん面白くなってきて(あれ?面白くなってる。)、フレーズ打ち込んでインストールしてみよ~、とかやってたら朝が来る。。。
そして、今回さらに大変だったのは(ってまだ本番終わってないけど)、結講急に来た仕事で(本番の2週間ちょい前くらい)、その4日後くらいから無理やり8日間リハで押さえられ、なんと曲を送ってもらったのがリハ初日の前日の夜9時。
そりゃードラムやベースやギターはなんとかなるでしょうよ?でもキーボードはそうは行かないんだよ~~~!アメリカ嫌い~~!と泣きべそかきながら徹夜で準備しました。
そしてこっちはリハでどんどん試して作り上げていく感じなので、要望がどんどん変わる・・
リハは毎日だし、他の仕事も受けちゃってるし・・・睡眠時間削るしかないやん~~!
ええ、そうです。つまり大変やねん~~!
思わず日本にいる河野さんにメールして色々質問してしまいました。優しく応えて頂きました。
河野さんありがとう~~!
やっとまとまりました。今日は久々の休日。12時間寝てやったze!
でもね、死にそうやけど楽しい。
コンピューター好きやし、なんか新しい事出来るようになったのが嬉しい
きっと今後の仕事に活かせると思うし。
そして、メンバーが素晴らしい。
みんなワールドツアー行ってるようなレベルのミュージシャンなので学べる事がいっぱいです。
日本にもみんな行った事あるから日本の話も出来るし。いい人たちです。
こっちに来て3年。たまにとんでもないレベルのミュージシャンと共演させて頂きますが、
共通して彼らのすごいところは、彼ら自身の演奏がすごいだけでなく、一緒にやってる私も引き上げられる事です。
それはもういきなりスケートリンクの上をサーっと滑って行く様なスピード感で私をどっか遠くの違う世界まで連れて行ってくれるのです。一人では出て来ないようなフレーズが出て来たりします。
やっぱすごいな、って思います。
私もそんな風に一緒にやっている人たちやお客さんををワクワクさせられるようなミュージシャンになれるように頑張ります!
寝よ。