日々のメモ

事業や企業、経済の動きについて分析していくブログ

株価はどこへいった

2020-04-13 19:43:00 | 分析・観察
コロナショックから株価が中々戻らない。
株価が下がり、資産はどこへいったのか…と長引く在宅生活の合間にふと不思議に思われる方もあるのではないか。
証券投資に関わり、何年か研究してきた僕からみて最高の解説は、1代で20兆円以上運用する巨大ファンドを立ち上げたレイ・ダリオ氏の30分ほどの動画である。(日本語版)

この動画は、レイ・ダリオ自身がリーマンショックを切り抜けた後、経済の本質について質問が集まりすぎたので解説用に作ったという経緯を持つ動画だ。(ちなみに、レイ・ダリオ自身は二兆円ほどの資産をもつ世界的な富豪であり、動画の広告収入はもはや考慮していないと思われる。)

この動画からの結論を言えば、株価下落で市場からなくなった価値は消えたのであって、どこかにいったわけではない。この星から消えてしまったのだ。
正確には、貨幣価値を担保するものが「現金」と「クレジット」の2種類あるうち、後者が消えたのである。
(プロセス)
①企業の先行きが不透明になる
②企業の所有権である株式が、「今後は株主に利益をもたらしてくれないだろう」と投資家に判断される
③投資家が株式を売却しようと考える
④売却オーダーが多くなり、株式の値段である株価が下がる
=株式がその将来性をもとに作り出していた「クレジット」が株式市場で消え去り、保有者全員も、売却した人も損をする。

この話の企業を牛に置き換えるならば、将来ミルクをたくさん出すと思われた牛を5人で100万円ずつ出して500万円集め餌を買い育てていたところ、あまりミルクを出さないので牛が300万円でしか売れなくなったようなものである。1人あたり60万円にしかならず、資金の出し手は損をしているのだが、その分誰かが得をしたということではなく、将来の富に対する信用(クレジット)が減ったのだ。

金融市場をみるにあたっては、クレジットをみることが背景理解の為に大切である。

証券会社の損益を10年程の期間について調べ、動向について解説をしているレポート

人権保護実現のプロセス

2020-04-13 00:50:00 | 分析・観察
人権が話題になる時、その強制力に疑問を持つ方はいないだろうか。
例えば今回新型肺炎の初期のニュースのなかで、アジア系の旅行者への差別的な行いなどが話題になった(今では欧米の方が感染者が多いが)。
ここで、差別禁止・迫害禁止という観点から人権の法的な実現プロセスを主要項目についてみると、

・憲法で国の私人の扱いについて差別を包括的に禁止している(憲法14条)。
但し憲法は私人同士の問題には直接適用されないことが三菱樹脂事件の判例で示されている。
・私人同士の関係については、男女雇用機会均等法(厚労省の解説)で性的な差別の禁止を明記している
パワハラは今年、大企業で社内に対策体制を作るところまでが義務になったくらいで、まだ公には保護の対象ではないと言える。(厚労省サイト
・国籍の差別については、民法709条の不法行為に対する損害賠償義務と人種差別撤廃条約等の条約および憲法14条を組み合わせて違反者に損害賠償させた判例があり、実質規制が存在する。(小樽温泉入浴拒否事件の判例
・残業の強要は禁止された。(厚労省の解説サイト
・宗教での労働差別は、厚労省からなるべくなくすように企業へ協力依頼が公式に出ている。(厚労省サイト
義務ではないので社会での評判を考慮して企業が自律的に努力するにとどまる。

今後の世論動向、それを形作るような、人権に目を向けるだけの社会の豊かさによってさらに規制は人権尊重に動くと思われるが、現状は上記の通りである。今はパワハラが微妙な扱いにあり日常生活でも許容度に人による差があるなど、まだ議論の途上にあるようだ。
以上から、人権尊重の実現プロセスは未だ発展途上にあり、今後さらに議論が広くなされ強化が分野により進む、というのが僕の見解である。