日々是好日記

仙台市のお隣富谷市在住「草香」のありさまです。

A3の話。

2015年04月22日 | 本や音楽や映画のこと
いや〜、ご無沙汰しております。

A3…はい、英国はスペンドールというメーカーのスピーカーです。
トールボーイタイプの中では比較的小型の部類ですが、
私の四畳半の部屋には調度良い…。
接地面積も以前使っていた KANⅡスタンドより小さいくらいです。
でもって、トールボーイなので箱の容量は上がりましたし、
以前使っていた Rogers LS3/5A と違ってバスレフ型です。

…ここまで書けばお分かりになる方はお分かりになると思うのですが…。
当たり前ですが、中低音方面は豊かになりました。
英語のレビューを見てみると、トールボーイ型バスレフとしては、
低音が少し不足気味(情熱的ではない)と表現されていました。
しかし、設置によって結構変わりますし、
少々堅物だった LS3/5A の低音部をなんとかドライブしようと、
フライングモールのデジタルアンプを使っているせいか、その心配は杞憂に終わりました。
中音域は…ヴォーカルがきっちり定位しますし、歌い手の息遣いも逃さず表現します。
こう言ってはなんですが…歌い手さんの体の大きさまでちゃんと想像させる程です。
ダイアナ・クラールと手島葵さんの差を感じることができます。
高音部は…さすが英国製スピーカー。BBCモニター的な雰囲気を損なわず、
とても素直な音が出ています。

低音部や(私が大好きな)残響の具合をチェックするのに、2枚のCDを使っています。
○エンヤ:ウォーターマーク
前奏部分が終わって曲が展開し始める時に太くて奥行きのある低音が入っています。
そこだけでそのスピーカーの素性が私には分かってしまうのですが…
音の芯が微かにぼやけるものの、質感、深さ、残響共に豊かになりました。
ゆったりとした気持ちにさせてくれます。
○清水靖晃:バッハ無伴奏チェロ・ソナタ4番
テナーサックスで演奏され、釜石鉱山の地下空洞で録音されたモノで、
複雑な残響を豊富に含んだ音源なのですが…
お見事。
そりゃあ…楽器に息を吹き込む時の、僅かな息の抜ける音
(リードが振動し始めるまでに吹き込まれた息が楽器を通る音…
と言った方がいいでしょうか?)は LS3/5A にわずかに分がありますが、
必要十分と言っていいでしょう。
地下空洞での録音なので、地下水が滴り落ちる微細な音が含まれているのですが、
それはさすがに…わずかながら遠のいて聞こえます。
しかし、その存在をきちんと表現してくれます。

このスピーカー、あまり「売れている」…という印象はありませんが…
端正なBBCモニター系列の音で、比較的狭い部屋には相性がよろしいと思います。
SPENDOR A3 をキーワードにネットをうろつくと…
アナログレコードを扱っているオーディオ店等で扱っているご様子…。
海外のサイトでも「英国紳士的な、節度をわきまえた端正なスピーカー」
という評判が多いようですし、実際そうだと私も感じています。

私の場合、運良く程度の良い中古品が見つかりましたし、
Rogers LS3/5A と LINN KANⅡ スタンドを売却+数万円で入手出来たことは、
幸運だったと思っています。
おそらく壊れるまで手放すことは無いでしょう。
素敵なスピーカーと出会うことができました。

最近の「ハイレゾ」なるフォーマットにはちょっと不足かもしれませんが…
アナログレコードファンの方々にもお勧めしたくなる素直なスピーカーです。

以上、参考になれば幸いです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿