その昔、目の前で スプーン曲げを見たことがあります。
やってみせてくれたのは 知り合いの女性、とある喫茶店での集まりで。
女性がバッグから取り出したスプーンが 「曲げてみて」 とみんなに回されましたが、そのまあ硬いこと、彼女いわく、家中で一番硬そうなのを持ってきたのよ、と。
誰も曲げられず戻ってきたスプーンを 彼女が 「ワン ・ ツー ・ スリー!」 の掛け声と共に ぽん と宙に投げ上げ、落ちてきたのを見たら カクッと直角に曲がっているではありませんか (゜0゜*)
彼女の話では、ユリ ・ ゲラー氏のワークショップに参加したとき、ふとした拍子に 「自分にはできない、曲げられない」 という思い込みが外れて、それ以来できるようになったのだということ。
しかも、もう一度放り投げて、きちんと元に戻してるし (^◇^;)
力づくで曲げ伸ばしを繰り返していれば、金属疲労でその部分がもろくなりますが、この方法だと大丈夫なのだそう。
今なおインパクト大の思い出です。
それから10年ぐらい後だったか、なんと今度は、自分がスプーン曲げをすることに Σ(゜Д゜;)
突然超能力が開花したわけではなく(笑)、誰でもスプーンが曲げられるようにしてくれる人がいるとのことで、友人に引き合わせてもらったのです。
曲げるといっても、前述の女性のように 手も触れずにということではなく、力わざで ぐるぐるねじるように巻いてゆくと知って な~んだと思ったのですが。。。。
手渡されたスプーンを両手で握り、力を入れてみた 第一印象は、
曲がるか~こんなもん!!
もう硬いのなんのって、わぁ~い スプーン曲げられるようになるんだぁ~♪ なんて他愛のないわくわく感に いきなり冷水を浴びせられた氣分 (T_T)
でも 友人によると、この人の手にかかると 相当なお年寄りでも 介助があれば 曲げられるようになるらしい。
ほんとうに曲げられるようになるのかこれ!? どうやって? と 興味半分、不安半分。
参加者は、私と紹介者と あともうひとりの計3名。
スプーン曲げのナビゲーターを務めてくれた男性は、どうやら言葉と笑いのパワーをうまく使いながら、こちらの 「そんなのムリ」 という思い込みを 徐々に外していってくれているようでした。
その人の指示に従って、アファメーション的な言葉を復唱したり、思わず笑っちゃうようなせりふを 身振り付きで言わされたり
あと、しょっちゅう入るのが ほめ言葉。
「○○ちゃん、えっら~い」 という感じで、笑顔で陽氣に 自分で自分をほめるのです。
けっこうハイテンポなナビに従い 次々にいろんな言葉を唱え、合間にそれを言う意味を説明してもらい、ときにはみんなで笑い転げたりして、どんどん進んでいくのですが、そんな中で 自己否定的な感情が ひょっこり表に出ることがあります。
私の場合、最初に 「こんなの曲げられるか~!」 と思った時点で、私ひとりだけできなかったらどうしよう、という不安が ふっと胸のうちをかすめたのですが、まさにそういうことを考えやすいタイプであることを言い当てられ、ぎくりと身をすくめかけた 次の瞬間、間髪を入れず 「はい、ほめて~」 と指示が飛ぶ。
すると、緊張しかかったからだと心が ふわっとゆるんで ほっとするんですね。
どんなことにも ネガとポジの両面があり、否定的な思考も それを見つけて 受け止められた自分をほめればいい、何が出てきても すかさずポジの面に着目してほめることで、痛みや後ろめたさを受け流し、明るい氣持ちを保つことができます。
そんなふうに うまく心をコントロールする術を教えられながら、ころあいを見て 先ほどのスプーンを手に取り、もう一度力を込めると、驚いたことに 絶対ムリと思っていたものが 曲がり出したのです。
もともと持っていたのに 「できない」 という思い込みに抑えられていた力が、男性のナビのおかげで リミッターが外れて 使えるようになったらしい♪
数時間があっという間に過ぎ、柄が二回転ぐるぐると巻かれた2本のスプーンをおみやげに、軽やかな氣分で帰宅と相成りました(*^^*)
あれ以来、心の中で 「そんなのムリ、できないよ~」 という声が上がるたびに、あのスプーン曲げ体験を思い出すのです。
あのとき教わった 思い込み外しのやり方は、その後 からだの感覚フォーカスという 私なりのスタイルに変わりましたが、結局は同じことなんですね。
できないという思いができなくしてるだけ、私たちの持つ可能性は、自分が思うよりはるかに大きいのだ、と。
弱氣になるたび、あの2本のスプーンを眺めては言い聞かせるのです、あのときだって 最初はムリだと思ったけれど、できたじゃない、って♪
あれっきりお会いしていませんが、あのナビの男性と 紹介してくれた友人には、この上ない体験をさせてもらったことを 今も感謝しています。
今の私たちから 「美しき緑の星」 のような世界への移行も同じこと。
難しい、不可能だ という思いを “切断” するのは、方法はいろいろありそうですが、誰にでもできるのです。
もともと持っている力が抑え込まれているだけなのだから。
そして いったんそうなれば、その道のりは 案外近いのかもしれません(^^)