夢を見た。
不思議な感じのする、変わった夢だった。
どんな夢なのか、そう訊かれるとどう答えていいのかわからないけど、とにかく変わった夢だった。はっきり言ってしまえば、よく憶えていない。
そのよく憶えていない夢の中で、確かに見たと思うのが二つだけある。
それは、雪乃と星空。視界に立っていた雪乃は少し悲しそうに笑っていて、何かを言っていた。もちろん、雪乃は喋れないので勘違いなのかもしれな . . . 本文を読む
朝起きて顔を洗って朝食を食べて部屋で制服に着替えていたらメールが来た。
着メロは『to love song』である。この着メロに設定してあるのは一人しかおらず、時計を見れば時間もいつも通りだった。携帯を手に取ってメールボックスを開く、受信メールにカーソルを合わせて決定ボタン。件名はなく内容はたった一言、『今から家を出ます』とだけあった。それを確認してから返信する。件名はそのままの空白で内容 . . . 本文を読む
家に帰って部屋のベットの上に死体のように寝転がってため息を吐いた。
冬の風に吹かれ、冷めた心と体を感じると冷静に物事が考えられるようになった。
どうしてあの時殴ったのか、今になって考えてもよくわからない。だけどたった一つ、言えることがある。
――許せなかった。
本人がいないのをいいことに勝手なことを言うあいつ等が本気で許せなかった。無神経に心の傷を抉るようなあの言葉に腹が立った。そし . . . 本文を読む