日刊工業新聞 2010年11月30日
企業の人材採用戦略 黄金ルーキーを探せ2010(19)
専門性備え前向きな人 四国化工機 社長 植田滋 氏
─ 求める人物像と資質は。
「専門性の素養を持つことも前提にあるが、明るく前向きな考えができてチームで活躍できるかを重視している。3部門の配属部署についても本人の積極的な意思があれば、それを尊重する」─ 採用での方針は。
「生涯賃金が2億円とすると、会社の投資はそれだけ大きいもの。最終面接に出ているが、そのためにも一人ひとりの良さを見落とさないように個性が引き出せることを聞く。採用では徳島県教委との人事交流で県内の工業高校の先生に1年間勤務してもらったこともある。工業高卒業生も毎年入るので、自分の教え子と同じ職場で働くことで得る刺激も大きい」─ 高校から高専、大学、大学院まで幅広い世代が入社されます。最近の学生気質については。
「コミュニケーション力の低下などは感じないが、基礎的学力の低下は気になる。面接で質問に対して事前に“武装”されないために突拍子もないことを聞き反応を見た時、それで黙ってしまう学生もいた。全体の学力低下が、想定外の場面に対応できない事例を招いているのかもしれない」
面接の際に大切なことは、
- 質問の意図を考えて答えること
- 押し黙ってしまわないこと
と、模擬面接の際に学生さんに指導しています。
質問の意図を考えて答えること。
旅先でデジカメのSDメモリがいっぱいになりました。あたりを見回すとホームセンターがある。急いでSDメモリを購入したいと店内に入るが、とても広い店内。思わず店員に尋ねます。
私 「SDメモリおいてありますか?」
店員「ありますよ」
と言って、立ち去ってしまった。
「ありますか?」という質問そのものに対しては、答えは「ある」「なし」で正しいですが、この状況では「ありますよ」という答えは正解でないですよね。こんな状況になったら、「バカかお前は!!」と心の中で叫びますよね。採用の面接の際の質問にも同じことが言えます。
それと困るのは、「SDメモリが何か分からない」または「SDメモリがどこにあるか分からない」、その結果押し黙ってしまう店員。心の中で「あるのか、ないのかはっきりしろ。」と叫んじゃう。黙ってられると、如何したらいいのか分からない。もしも、SDメモリがあるかどうかわからないなら、「今、あるかどうか確認しますからお待ちください」だし。SDメモリが何か分からないなら、今確認しますからお待ちくださいといって他の店員に助けてもらえば良い。
どう対応して良いものか分からずに止まっちゃうのが、一番困る。面接でもそう。そんな、突然の事に対応できない人は採用したくないって事でしょう。
このあたりは、どこの会社でも一緒ですよね。