多摩川サイクリングロードの車窓から

津軽海峡冬景色(夏) 2番

 ホテル竜飛で一夜を過ごし、今日は津軽半島一周の2日目になります。
 今日のルートは新青森駅までの約80km程度。大きな山も無くそれほど時間はかからないはずで、急ぐ必要はあんまりありません。
 というわけで、ホテルの朝食をゆっくり食べてから8時半ごろに出発となりました。


 まず走るのは県道281号、別名あじさいロード
 昨日の写真にもちょいちょい映っていましたが、この辺りはあじさいが非常に多く、北国なのでちょうど今が見頃になっています。
 この道は竜泊ラインと同様に青函トンネル工事の資材運搬に使われていたそうです。海沿いに国道339号もありますが、こちらは集落が点在しているので使いにくかったのかもしれません。
 トンネル完成後はもともと自生していたアジサイを植樹してさらに増やし、観光資源として活用しているというわけです。



 この道は龍飛から三厩までの14kmに渡っており、道路脇にアジサイが点在しています。アジサイは土壌によって色が変わるそうですが、ここはほとんどが鮮やかな青。赤いのはあまり見かけませんでした。






 ガクアジサイも咲いています。品種的にはこちらが原種で、いわゆる普通のアジサイはこれを品種改良したもの。


 こうしてみると品種改良された理由が良くわかります。
 普通のアジサイはボリュームがあり遠目にも鮮やかですが、ガクアジサイはちょっと離れると目立たず、これは園芸品種としては弱点でしょう。


 途中にある東風泊駐車帯には崖一面にアジサイが咲いていました。あんな高い所までよく咲いたな・・・


 これだけ鮮やかに咲いているということは、ちゃんと手入れがされているのでしょう。誰がやってるんでしょうね?役場の人か、あるいは近所の有志の方がやってるのか。




 この道は海からちょっと離れた山肌にあるため、アップダウンがそれなりにあります。
 そこのアジサイ君、看板を隠そうとするのやめてもらっていいですか!?
 

 紅葉と異なり、アジサイは自転車と相性がよくありません。
 見ごろが梅雨時というのもありますし、名所は寺院などが多く、止める場所などを考えると自転車では少々行きづらいことが多いのです。


 しかしここあじさいロードは例外です。北国ゆえに見頃が7月末~8月初旬と遅いですし、津軽半島の先端部という僻地のため公共交通機関でのアクセスは絶望的です。何せ三厩駅の津軽線は1日に5本しかありません。
 むしろ自転車かオートバイでこそ楽しめる名所と言えます。

 


 あじさいロードが終わり、国道280号を走っていると青函トンネル入口の案内がありました。


 青函トンネルは世界屈指の大トンネルです。長さ世界一の座は2016年に開通したスイスのゴッタルドベーストンネルに譲りましたが、海底トンネルとしては英仏海峡トンネルを凌ぎ依然として世界一の長さです。
 そんなすごいトンネルではありますが、入り口はまあ・・・普通のトンネルと変わりません。(そりゃそうだ)

 青函トンネルが開通したのは1988年。当時俺は小学生だったのですが、親にせがんで最終日の青函連絡船で函館に渡り、翌日の青函トンネル初日の電車で本州に戻る小旅行に連れて行ってもらいました。今でいうところの葬式鉄というやつです。
 当時の俺はそこまで思い至らなかったのですが、最後に乗ろうとする乗客が殺到して青函連絡船は大混雑。何時間も青森で待たされた挙句、何も見えない深夜に津軽海峡を渡ったことを覚えています。

 そんなことを思い出しながら新幹線が来ないかなと調べてみましたが、次の列車が来るのは40分後。こんな何もない所でそんなに待つのもアレなので、諦めて次に行くことにしました。
 北海道新幹線はいまのところ1日に13往復というローカル線並の本数なので、時間を調べて狙わないと遭遇するのは困難です。札幌まで延伸すればもう少し増えるのでしょうけども。



 道は海沿いになり、雨こそ降らないもののどんよりとした雲に覆われてしまいました。この辺りの日照時間は全国平均の8割程度だそうで、こういう曇り空がデフォルトなんでしょうか。



 津軽半島は北に向けて二つの岬があります。一つは龍飛崎、もう一つはここ高野崎です。
 岬の先端に向けて赤い橋がありますが、ちょっと降りるのは大変そうですね。


 降りて橋を渡ると、ポツンと浮かぶ岩礁の上。少し心もとない感触もありますが、ぐるりと見渡す大海原の眺めは雄大なものでした。向こうに見えるのは多分竜飛崎でしょうね。だいぶ遠くまで来たな。



 津軽半島の東側に出てしばらくすると、蟹田で津軽線が海辺に出てきます。
 さきほど三厩駅の津軽線は1日に5本しかないと書きましたが、蟹田より南は人口も多いためか列車の本数も8往復に増えます。・・・あんまり変わらんな。
 そんなレアな津軽線ですが、たまたま列車の通過に遭遇して写真に収めることができました。狙ったわけではありません、単に運が良かった。
 ちょっと驚いたのは、2両編成だったことです。1両じゃないんですね。



 蟹田を過ぎてしばらく進むと、海沿いの国道280号沿いには住宅が並ぶようになり、海はほとんど見えなくなります。そんな道を走ってもつまらないので、少し内陸のバイパスを通ることにしました。まっすぐで平坦で信号の少ない、都市部ではなかなか走れないタイプの道です。
 しかし相変わらず西風が強く、何度も煽られて蛇行してしまいました。


 新青森駅が近づいてくると、新幹線の高架橋がすり寄ってきました。
 ここから空港まで行くのもめんどくさいので、新幹線で帰ることにしましょう。




ごらんこれが竜飛岬 北のはずれと
正しい名前は「龍飛崎」
この曲の記念碑にも 行ってみたけど
2番が爆音で流れるだけ
さよなら津軽 はやぶさで帰ります
次の電車一時間後 待てとばかりに
あゝ 津軽海峡冬景色


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