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建物に由来する言葉 ー30

2021年09月04日 14時27分57秒 | 暮らし 建築に関わる事

建物(建築)に由来する言葉 - 30

本当に久しぶりの「建物に由来する言葉」ですが、ちょうど30回目です。

建物の色々な部分の名称や、建物に由来する言葉を知らない人が多くなったそうなので、思いつくままに、書いています。

 

今回は「千切(ちぎり)」です、「滕(ちぎり)」又は「衽ちぎり」」とも書き「立鼓(りゅうこ)」と呼ばれる事もあるようです。

「千切」は石や木の継ぎ目や割れ目などに彫り込んで、カスガイの役をさせるものです。

「衽」の文字は古代中国において、棺板を矧ぎ合わせるときの「千切」を意味したようです。

一方「滕」の文字は、機織り機の縦糸巻きの事で、同じ様な形をした「ハンマー形」の千切に「滕」の字を当て、「ハンマー形」が強度不足から使われなくなってからも、その文字だけは千切を表す文字として使い続けられているのだと思われます。

文字はさておき、「千切」の形はいくつか有るので、参考に図を張り付けておきます、この図は「和室造作集成」からの転載です、この書物では本文の中もすべて「滕(ちぎり)」文字を使っています。

また、別の書物(日本建築辞意[新訂])では、図の「ハンマー滕」を「天」・「地方滕」を「地」・「人形滕」を「人」と言う様に「天・地・人」と言う表現をしています。

でも、現在普通に「千切」と言うのは二つの三角形を頭合わせにした様な形の物を言うのだと思います。

 

写真はテーブルに使われていた「千切」です。


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