日本のものづくりはMRJでよみがえる!
SB新書
定価(800円+税)
2015年5月25日発売
松阪市にMRJ工場がやってくる!
そんなことを聞いたときに、MRJってなんぞ?と思ったものです。
その訳は三菱リージョナルジェット。
三菱はメーカーとして、「リージョナルジェット」ってなんだ。
リージョナルジェットとは、短距離輸送用ターボファンエンジン搭載航空機を指し、地域間輸送用旅客機と訳されることもある。
一般的に旅客機では、旅客数が50から100名程度で必要な滑走路も短い低騒音な小型ジェット機のことを呼ばれるようになった。
にゃるほど。
んで、松阪では何を、いつから作るんだってことで調べてみたら、
上記サイトに下記のようにあった。
松阪工場をMRJ量産拠点の一つとして位置づけており、
水平・垂直尾翼の量産組立を行います。操業開始は2016年度の予定です。
場所は松阪市広陽町。いわゆる松阪市の山間部の工業地帯となっている。
さて、そんな色々が分かってきたことから、
もうちょっと、そもそも航空機産業について学んでみようってことで買った本が
今回の本です。
正直、相当に専門的でマニアックで読解に困ったこまった。
一つ一つ調べてもこれは意味がないなーと読み進めていったら、
まぁある程度は分かったんだけど、万人にオススメできるものではない。
例えば日本のどこで何を作るとか、MRJの松阪工場で何をつくるとか、
そういいった類というよりは、
むしろ、飛行機業界の現在やこれからMRJが伸びていくことで、
日本がどのように変化していく可能性があるかの示唆が書かれている。
自分が感じたことを箇条書きにして書く。
・日本は飛行機産業が大変遅れをとっていて、それに追いつこうとしているのが三菱だ。
・飛行機産業は事故が起これば人命を失う可能性が高いため、
信頼性や技術力の高い産業である。
・故に、飛行機産業はトレーサビリティが厳しく管理されている。
・MRJに限らず、飛行機には最先端の技術が使用されていて、
これを派生的に新幹線や自動車の安全性などに応用されている。
・日本には飛行機1機を作り上げ、販売できるだけの信頼性も技術力もない。
・ただ、メーカーが先頭となって技術力を高め、国際的な認知を得る中で、
技術を高めたり、世界に必要とされる産業となる可能性もある。
例えば、エアバックが戦闘機の緊急脱出装置から応用されていることを僕は知らなかった。
ディスクブレーキも、パワーステアリングも、そうだという。
何せ、フロンティアに立ち向かおうとする精神が気に入ったね、僕は。
松阪に一つのこのような産業が生まれることで、
子会社が作られることも、技術が違う形で生きてくることもあるかもしれない。
未来が感じられる取り組みってことはとても分かった。
ちょっと難しいけれど、MRJを通して日本の産業の課題と未来が感じられる本です。
オススメですよ。
最後に、勝田が気に入った部分を一部抜粋。
・北米大陸には、フィーダー線と呼ばれる航空網が張り巡らされている。
フィーダー線とは国内外の幹線航空路と対比する概念で、
たとえば、エアラインの中大型旅客機で海外あるいはロサンゼルスから
セントルイスまで搭乗し、そこからフィーダー線のリージョナル機に乗り継いで
近隣の街の空港へ・・・そういう使い方をされるのがリージョナル機なのである。
・日本の企業は戦略を転換できずにいる。新興国をターゲットとして
無理に安物の家電や自動車を作ろうとしたり、コストが合わないとなったら
新興国に現地工場を建設してでもボリュームゾーンを獲得しようとする。
・日本は製造技術に優れている。というと聞こえはよいのだが、
絶望的なまでに日本には製品技術がない。
・今の時代に求められているのは、現場において丁寧な作業を行える人材や、
創意工夫を持って新しい何かを生み出せる人材である。
人に対する気配りや、新しい技術やビジネスモデルを生み出すことは、
機械にはまだできない。
・環境ができれば、自然と別分野の技術について学んだり、
別分野の人材と交流する機会も増えてくる。
同じ部署の人間同士、会議で話し合っているだけでは、
新しいアイデアは生まれてこないのだ。
生まれてきたアイデアを、管理職は潰してはならない。
どんな製品がヒットするかを予測できる人間などはいないのだから、
できるだけ早く市場に出して、顧客の判断に委ねるべきなのである。
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