久しぶりの男性作家による本格的長編小説に巡り合った感じです。
舞台は、創立90周年を迎えようとする大新聞社。バツイチで45歳の美しい女性論説委員が主人公、ある日の論説が政府与党に献金している宗教団体の怒りに触れ、政府を通じ新聞社に圧力がかかって彼女は転出されそうになる。彼女に論説をやめさせなければ、新社屋建設の土地を払い下げてやらないと言う。
主人公は、恋人の大学教授、友人、家族を総動員して反撃に出るというストーリーが実に面白い。有名画家、各界の大物、大蔵官僚から与党幹事長、そして総理まで登場する反撃ストーリーの巧みさにすっかりのめり込んでしまった。
このストーリーの壮大さに加えてテーマとも言える贈与論や天皇論、事件の発端となった産児制限や妊娠中絶から神と人間の係わりといった宗教論、などが哲学的考察を加えて話が延々と続き、著者の博識が随所に見られるのも楽しみの一つだった。
クライマックスは主人公とその伯母が総理を訪ねて深夜に総理官邸に乗り込むくだりなのだが、ここでまたしても意外な人物が登場する。そして結末へと至る・・・。
1993年に発行され、たちまちベストセラーとなり吉永さゆりで映画化もされた物語故、ご存知の方も多いと思いますが、未だの方にはお薦めの一作でしょう。
最近配信になったようです。映画「女ざかり」(吉永さゆり)TBSオンデマンド
http://bb.goo.ne.jp/jmovie/program/onnazakari/index.html
※ひとこと追加・・・
本書テーマの一つ、について。
日常生活のお中元やお歳暮にはじまり、政治の世界でも賄賂やバラマキ。主人公の筆禍事件も宗教団体、政党、新聞社の三者間のモノのやりとりの結果である。日本社会では、政治もビジネスも生活も贈与によって機能しているのでは・・・
登場人物の一人で主人公の恋人であり哲学者は言う。「古代において贈与とは契約のことだったから、日本で贈与が盛んなのは古代的な部分を多く残している証拠である」。う~ん、成るほどな~、といった場面が随所に見られる。
ところで、みなさんは新聞の「社説」、読んでおられますか?
パピーはこの本を読んでから今までほとんど読まなかった「社説」を読むようになりました。これも収穫の一つだった。
≪本日のオマケ≫
パピー家ミニ菜園報告
美人でお仕事バリバリこなす女性。
大きな圧力かけられても、自分の考えをしっかり持って、勇敢に立ち向かう姿勢、少しでも見習いたいものです。
吉永さゆりさんが演じたのですね。
おもしろそ~
パピーさんもサユリストですか?
パピー菜園すごいですねぇ。
私の憧れの家庭菜園。
レタスやブロッコリってスーパーで買うものというイメージしかないけど、家で作れてしまうのですね。
サラダ菜「ちゃん」にブロッコリ「くん」
パピーさんの意外に
自分で育てた野菜たち、愛おしく美味しさも倍増でしょうね
映画は観てないんだよ。
パピーは映画化されてもやっぱり本で読むほうがいいな~
本だったら自分で色んなイメージ創造出来るけど、映画だったら映像に惹き込まれて自分のイメージ浮かばないだよね。
micchan暇があったらこのTBSオンデマンドをPCで見てみたら・・・
でも吉永さゆりってあまり知らないじゃないかな(笑)
本を読む母親の姿は子供に大きな影響を与えると思いますよ