私にとって森繁さんといえば、ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」の「テヴィエ」である。大昔の話だが、日比谷の帝国劇場に何度か観に行ったからである。
なんと19年間で単独主演上演900回という大記録を達成したのだそうな。私は上條恒彦のテヴィエも観たので、最後の年の上演だったかもしれない。
物語自体は物悲しい話であり、テヴィエは確かユダヤ教徒の役なのであるが、森繁さんの堂にいった親父っぷりといったら。
妻に頭が上がらない亭主関白、娘の将来を心配し裕福な結婚相手を見つけようと骨を折る父親、けれど三人の娘はそれぞれ意にそまぬ相手と恋仲になってしまい──。国は違えど、どこのお父さんも同じなんだな、という深いところで息づく普遍性を楽しませてもらった記憶がある。
老衰であったのだという。96歳の大往生である。仕方のない事とはいえ、偉大な役者がいなくなってしまうのは、やはり残念なことである。
にしても、円楽さんに続いて「テヴィエ」まで逝ってしまうとは。
時はどんどん過ぎて行くのだなあ、とつくづく実感する今日この頃である。
なんと19年間で単独主演上演900回という大記録を達成したのだそうな。私は上條恒彦のテヴィエも観たので、最後の年の上演だったかもしれない。
物語自体は物悲しい話であり、テヴィエは確かユダヤ教徒の役なのであるが、森繁さんの堂にいった親父っぷりといったら。
妻に頭が上がらない亭主関白、娘の将来を心配し裕福な結婚相手を見つけようと骨を折る父親、けれど三人の娘はそれぞれ意にそまぬ相手と恋仲になってしまい──。国は違えど、どこのお父さんも同じなんだな、という深いところで息づく普遍性を楽しませてもらった記憶がある。
老衰であったのだという。96歳の大往生である。仕方のない事とはいえ、偉大な役者がいなくなってしまうのは、やはり残念なことである。
にしても、円楽さんに続いて「テヴィエ」まで逝ってしまうとは。
時はどんどん過ぎて行くのだなあ、とつくづく実感する今日この頃である。