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■読書感想 『 博士の愛した数式 』 小川洋子・著

2009-12-01 14:33:37 | 読書感想文
《 ぼくの記憶は80分しかもたない 》

交通事故による脳の損傷で記憶が80分しか持続しなくなってしまった元数学者「博士」と博士の新しい家政婦である「私」とその息子「ルート」の心のふれあいを美しい数式と共に描いた作品。(Wikipediaより)


「1-1=0」
これを面白いと感じられる人ならば、より楽しめる物語だろうな、と思った。

随分以前に映画で観て、原作も読みたいと思っていた作品である。だが、何とはなしに後回しになっていて、先日ようやく近所の図書館で借り受けた。
画面で具体的に表現されるだけに映画の方が印象が強烈だろうし、ストーリーは知っているので(もう、いいか)と思わないでもなかったが、原作を読まずに知った気でいるのは片手落ちというか卑怯な気がして、どこかケリをつける感じで借りてきたのである。

家に持ち帰ってはきたものの、正直、内容を確認する程度で済ますつもりだった。そもそも「純文学」には退屈な雰囲気が纏わりついている。話に起伏が乏しく刺激がない。本は売れないわゲームに押されるわで衰退傾向にある、というイメージ。ところが、である。

ぶっちゃけ大当たりだった。
こうした格付けは個人の好みの問題であるが、ワタクシ的に大満足である。無駄なく、誤魔化すことなく、物語世界が真っすぐに入ってくる感じ。妙な言い方だが、真っ当な人達が真っ当に扱われ真っ当に描かれている印象を受けた。

一番驚いたのは、映画と原作の差異である。受ける印象が全く違う。博士の印象も、姿かたちからしてまるで違う。どちらが上という話では無論なく、それぞれが全くの別物である。映画での博士役は寺尾聰さんで、こちらもとても良かったが(だからこそ原作も読みたいと思ったくらい)、本の中の博士はもっと小柄で弱弱しい風変りで正直な" おじいさん " という感じ。これは" 博士 " という文字から受け取る個人的な印象なのかも知れないが。
同じ物語をなぞっていながら「それはそれ、これはこれ」という感じ。表現する媒体が違うと、世界がこうも異なって見えるものか、とつくづく感じた一件であった。

因みに、藤原正彦氏(著名な数学者の方らしい。無知なもんですみません……)の解説もとても良かった。
こうした解説には、あらすじを書き連ねただけの蛇足のようなものがたまにあり、そうした代物に出くわした日には読み飛ばすのが常なのであるが(一応、解説まで全部読む。時間があれば)、この方の解説はその手のものとはまるで違う。物語読了後の余韻を楽しむに十分な出来、指摘は的確、文章は流暢、(この人、作家じゃないのか……)とちょっとばかり驚いた。







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