誤算

2009-12-13 02:16:39 | 管理人の生存確認日記(2012年まで)
私は身支度を整え、家を出た。
明るい昼の内に、買い物に行ってしまおうという魂胆である。まだ3時だからテレビでも──などと呑気なことを言っていると、あっという間に日が落ちて泣きを見る羽目になる。冬は油断は禁物なのだ。
鍵をかけて外に出ると、風もなく、ぽかぽか陽気で暖かかった。目的地は隣町のスーパー。すっかり余裕の良い気分で、いつものコースを散歩する。メモを見ながら買い物を済ませ、両手に荷物でるんるん帰る。順調順調。あとはコタツでぬくぬくできる。

やがて、どっぷり日も暮れ、寒くなった。
家事を順調にこなした私は(さっさと買い物行っといて、マジよかった。もし足りないもんが出てきても、外には絶対もう出ない!)と固く心に誓いつつ、テレビを見ながら寛いでいた。普段であれば、ダラダラ過ごして何とはなしに出遅れて、向かい風の寒風と戦いながら戻ってくるような頃合だ。なのに、今日はなんという余裕……などと一人にんまり自画自賛していると、コタツの携帯がぴろぴろ鳴った。誰かと思えば、母である。曰く、

「今、外にいるんだけど、玄関の電気点けといてくれるー? 無用心だから」

実家の玄関照明を点灯せよ、との仰せである。
本人はどうやら、サテンで友達とお茶してる模様。しかし、外は真暗、木枯らしぴーぷー6時である。だがだがしかし、通話口(?)の向こうからは、わいわいがやがや楽しげな喧騒が聞こえてくる。ここで「とっととけえってこい」などとお断りするのは、そりゃアナタ野暮というもの──。

「……いいよ」

仕方がないからコートを着て、家を出た。
こういうことって、わりとある。



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