立岩川の河口でしばらく鳥たちを眺めていた。コサギ・ダイサギ・セグロカモメ・ユリカモメ・ツバメ・カラス・カモ・・・ざっと判別しただけでもこれだけの種類、総数100羽余りが半径100mに満たない空間に共存している。
中でもユリカモメは見事に夏羽に衣替えして頭が真っ黒、予備知識がなければとても同じ種類には見えないだろう。小魚であふれる春の干潟は、もうじきまた北の国に旅立つための栄養を蓄えるには最高の餌場なのだ。コサギが小魚を見つけて小走りする時に羽を広げてバランスをとる様はちょっとした舞踊だ。思う存分食餌できるのが嬉しくてたまらないという様子だ。
飛行家のC・リンドバーグは、最終的に「飛行機よりも鳥を選ぶ」と言っている。滑空飛行を2000回以上も繰り返して航空の礎を作ったO・リリエンタールはコウノトリを先生と呼んだ。歴史学者のトインビーは次に生まれ変わるとしたら鳥になりたい言った。確かヒマラヤの鷲か何かだったと記憶している。
私はまだ転生の問題に結論を出していないから確かなことは言えないが、“人間から支配や干渉を受けない”という条件付きなら鳥に生まれるのも悪くないと思う。彼らを群れとしてではなく一羽一羽の個体としてじっくり観察していると、明らかに“個性”があり、周囲の同類とまったく無理なく調和して生きているのが見えてくる。私たち人間がいたるところで四苦八苦している“個と全体の問題”などは彼らの中ではとっくに解決済みなのに違いない。


中でもユリカモメは見事に夏羽に衣替えして頭が真っ黒、予備知識がなければとても同じ種類には見えないだろう。小魚であふれる春の干潟は、もうじきまた北の国に旅立つための栄養を蓄えるには最高の餌場なのだ。コサギが小魚を見つけて小走りする時に羽を広げてバランスをとる様はちょっとした舞踊だ。思う存分食餌できるのが嬉しくてたまらないという様子だ。
飛行家のC・リンドバーグは、最終的に「飛行機よりも鳥を選ぶ」と言っている。滑空飛行を2000回以上も繰り返して航空の礎を作ったO・リリエンタールはコウノトリを先生と呼んだ。歴史学者のトインビーは次に生まれ変わるとしたら鳥になりたい言った。確かヒマラヤの鷲か何かだったと記憶している。
私はまだ転生の問題に結論を出していないから確かなことは言えないが、“人間から支配や干渉を受けない”という条件付きなら鳥に生まれるのも悪くないと思う。彼らを群れとしてではなく一羽一羽の個体としてじっくり観察していると、明らかに“個性”があり、周囲の同類とまったく無理なく調和して生きているのが見えてくる。私たち人間がいたるところで四苦八苦している“個と全体の問題”などは彼らの中ではとっくに解決済みなのに違いない。

