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庭戸を出でずして(Nature seldom hurries)

日々の出来事や思いつきを書き連ねています。訳文は基本的に管理人の拙訳。好みの選択は記事カテゴリーからどうぞ。

固定観念

2007-04-02 14:08:00 | その他
NTT光のネット環境がほぼ安定した。といっても、昨日・一昨日と結構な時間を使って、新しく購入した無線ルーターの設定をしたり、どんなにしても3Mを超えないこのPCの無線LANボードやMTUを触ったりで少々忙しかった。

「電波王」などという凄い名前の付いた新しい無線ルーターは幾分不可解な特性を持っているようで、相当離れた隣の家の息子の部屋には安定して下り2Mを届けるが、1mと離れていないこの最大54Mの無線LANカードには3Mを供給するに過ぎない。どう考えても10M以上は出ないとおかしいのだ。

ルーターとLANカードの相性はあるにしてもこれはあんまりではないか。以前使って若干不安定だったUSB接続のものに替えても結果は同じ。下り3Mも出ていれば、ネット接続には何の支障もないものの、腑に落ちないものごとの原因がある程度見えるまでは、なかなか落ち着かないのが私の悪癖でもある。

しかし、自分にできるだけのことをやった後は、いったん事を離れて後は自然の成り行きに任せてみる・・・という処世の術もある程度は心得ているので、今回もそうすることにした。すると、多くの場合そうなのだが、その解決方法はバカみたいに簡単なところにあることに気が付いた。

このPCも無線ではなく有線にすれば良いだけのことなのだ。以前の無線ルーターにはケーブルの接続口が一つしかなく、これを自宅用に使っていたから後は無線しか方法がないと思い込んでいたのだ。(裏のカバーを外してみたら4個口だった)更にこれまでは度々持ち出していたノートをメインPCにしていたから、このデスクトップも無線じゃないといけない、という固定観念に囚われていたのだ。NTTのモデムには最大3個まで、さらに新しい無線ルーターも4個までケーブル接続できるようになっている。

早速、行きつけの電気屋に出かけて1000円に満たない有線LANボードを仕入れてつなぎ、NetTuneというMTUなどを適正化するソフトで設定を済ませて速度測定してみたら、あっという間に30Mに迫る勢いになった。

どんなに複雑で解決困難に見える問題も、その解答はたいがい単純であり、解決方法はほとんどの場合すぐ傍にある。自分のすぐ近くにあるものを見えなくする最大の障壁が「固定観念」という硬直した心の持ち方であろう。ものごとを多様に見ることのできる柔軟な姿勢をさらに養いたいものだ。

ちなみに、固定観念を辞書で引いたら「ある人の心中に潜在して、つねに念頭を離れず、外界の動きや状況の変化によっても変革することが困難である考え。固着観念」とあり、和英では“conventional and oversimplified concept or image; prejudice, preconceived opinion”とあった。「型にはまり簡略化が過ぎる考え方やイメージ;偏見、 前もって考えられた見解」というところか・・・なるほどなぁ・・・である。



黄砂

2007-04-02 00:04:53 | 自然
昨日の黄砂はすごかった。終日曇り空で昼から雨も降ったけれども、うす雲の上空がさらに黄色く曇っていて、たまに差し込む太陽の光も黄色味を帯びていた。景色全体が不安げに暗い黄色に覆われている、というような雰囲気の一日だった。今夜も黄砂はまだ届いているようで、明るい満月も周囲にモヤがかかったような輝きだ。

このあまり愉快とはいえない砂の小粒は、遠く西に離れた中国大陸の更に奥地の中央アジアの砂漠地帯から偏西風に乗ってやって来るらしい。マスコミは随分大変なことのように報道しているが、大気は絶えず世界中を循環しているという事実の一つの表れにすぎない。



海水もそうだ。こないだは南予(愛媛県南部)に巨大なクジラが現れて、それを外洋に助け出そうとした方が一人亡くなった。南海の暖かい海水が徐々に北上傾向を強くしてるらしく、いつもより水温が高い。その暖かい海水に乗って、イルカやクジラなど瀬戸内海ではなかなかお目にかかれない種類の海生哺乳類も北上してきているのだ。海水も温かい水を冷たい場所に送り、海洋全体を攪拌しながら、一つの恒常性を保とうとしているのだろう。

人間は基本的に地上の生き物で、簡単には大地を離れることはできないが、他の生物たちと同様、その生命を保持し成長させるために不可欠な「空気と水」は、常に絶えることなく地球上を循環している。そこに政治的な国境などないことは言うまでもない。国家の利害などというちっぽけな次元をはるかに超えた、物と情報の共有世界を成していると言っても良いだろう。この自由な空気と水の世界に何らかの壁や境界を作って、驚くほど壮大な循環運動を止めてしまったら、その絶妙なる力用はたちまち失われると同時に、この世界のほとんどの生命は死滅してしまうであろう。

私たち人間は、自然界にあるはずのないもの、あってはならないものを、あえて作り出すだけではなく、それを維持するために、いかに膨大で有害な無駄をしていることか・・・それに深く気付き、反省し、改善するしか進むべき道を他に持たない時代が、いよいよ今ここにある。