観賞桃

日本で見られる観賞桃(2017年ー80品種前後)を、写真付きで紹介します。

オキナワ

2022-06-19 06:48:05 | 観賞桃(100品種)

No.072 沖縄  (オキナワ)

   Prunus persica ❛Okinawa❜

    〔緑葉・立性・桃色花・一重咲き・普通桃〕

 

【由来など】この品種は、沖縄在来桃です。1962(昭和37)年に、農業生物資源ジーンバンクは、沖縄の琉球大学から「オキナワ」の核果を取得しています。受け取った核果は、農林水産省果樹試験場(平塚)で播かれて育成されました。1967(昭和42)年に、「赤芽桃」との交配が行われました。その結果、「筑波1号」が誕生しました。「山桃」や「オキナワ」は極早咲きで、山梨県笛吹市の「まるきた花桃園」では、3月3日頃にお花見と称して楽しんでいます。在来種の「おはつもも」同様に、果実は食する事が出来ます。沖縄では、6月上旬頃、野菜直売場に出品される事がたまにあります。核果は、離核です。

 

 

     2016(平成28)年3月21日  0569

 

 

     2016(平成28)年3月08日  9320

 

 

     2016(平成28)年7月20日  8548

 

 

     2015(平成27)年7月27日  2558

 

 はしきやし 我が家の毛桃 本繁み

      花のみ咲きて 成らざらめやも

                           『万葉集』

 

 


中生白

2022-06-19 06:05:53 | 観賞桃(100品種)

No.058 中生白  (ナカテ ジロ)

   Prunus persica ❛Nakate jiro❜

    〔緑葉・立性・白色花・半八重咲き・普通桃〕

 

【由来など】1952(昭和27)年の『農業世界 47(3)』に、初めて紹介されています。「寒白(かんじろ)」に次ぎ白色花として開花するので、「中生白」の名が付けられたと思われます。両者の区別がはっきりせず、その調べに数年を費やしました。先人の花桃資料を紐解き調べた結果、花弁数の違いに気が付きました。「寒白」の花弁数は、ほとんどが三重(15枚)前後の八重咲きです。それに対して「中生白」は、弁数の少ない5枚から二重(10枚)位が極わずか見られる、半八重咲きです。果実はハナモモとしては大きい方で、70g 前後となります。核果は、離核です。

 

 

     2022(令和4)年3月27日  7789

 

 

     2016(平成28)年3月21日  0470

 

 

     2022(令和4)年3月27日  7752

 

 

     2022(令和4)年5月22日  3985

 

 白雲の 春はかさねて 立田山

       をぐらの峰に 花にほふらし

             藤原定家朝臣   『新古今和歌集』

 

 


寒白

2022-06-19 05:25:13 | 観賞桃(100品種)

No.059 寒白  (カン ジロ)

   Prunus persica ❛Kan jiro❜

    〔緑葉・立性・白色花・八重咲き・普通桃〕

 

【由来など】「寒白」及び別名の「寒白桃」の品種名が、1937(昭和12)年の『原色 花木圖譜』(穂坂八郎著 三省堂)に初めて登場しています。千葉大学園芸学部教授の穂坂氏は、1952(昭和27)年の『農業世界 47(3)』にも、”需要の多い花桃の有望品種と作り方”という題で、ハナモモを取り上げています。「寒白(かんじろ)」は、切枝用として広く作られ、また庭木としても好まれる、と記しています。昭和60年以降の文献に、同音異義語の「関白(かんぱく)」を見かけるようになりました。本来の意味と全く異なり、混乱を引き起こす元となりますので、差し控えるべきです。春を彩る早咲き品種で、人気があります。核果は、粘核です。

 

 

     2022(令和4)年3月20日  6795

 

 

     2022(令和4)年3月20日  6772

 

 

     2022(令和4)年3月20日  6777

 

 

     2020(令和2)年8月02日  1659

 

 まくらがの 古河の白桃 咲かむ日を

       待たずて君は かくれたまへり

               若杉鳥子   「若杉鳥子記念碑」