観賞桃

日本で見られる観賞桃(2017年ー80品種前後)を、写真付きで紹介します。

石畳

2022-07-29 05:08:35 | 観賞桃(100品種)

No.093 石畳  (イシダタミ)

   Prunus persica ❛Ishidatami❜

    〔緑葉・枝垂れ性・荒皮性・普通桃〕

 

【由来など】たくさんの実生苗を育てている過程で、早くから幹が荒れている苗に目が留まりました。4年目位になるとはっきりと他の苗木と、幹膚の違いが分かります。石畳模様に割れ、若木にもかかわらず風格が見られます。採果した親木は、神奈川県大磯町にある枝垂れ性のハナモモです。花は、八重咲きです。かなりの古木で、持ち主にお聞きしたところ50-60年は経っているとの事でした。2015(平成27)年8月25日に、「石畳」と命名しました。現在、鉢植えで育てています。花芽を持ったのですが木に力がなかったせいか、2022年の春は開花までに至りませんでした。

 

 

     2022(令和4)年2月06日  5074

 

 

     2022(令和4)年4月13日  0493

 

 

     2020(令和2)年9月15日  2722

 

 

     2021(令和3)年5月06日  0281

 

 人とほく ゆきて帰らず 秋の日に

         光しみいる 石だたみ道

                           佐佐木信綱

 

 


雛祭り雲龍枝垂

2022-07-28 05:13:33 | 観賞桃(100品種)

No.092 雛祭り雲龍枝垂  (ヒナマツリ ウンリュウシダレ)

   Prunus persica ❛Hinamatsuri unryu-shidare❜

〔緑葉・矮性・枝垂れ性・曲枝性・絞り花・八重咲き・普通桃〕

 

【由来など】いつ、誰が作出したのかは、わかりません。2014(平成26)年12月14日に、平塚市の園芸店で、「雲竜しだれ源平桃」のラベルが付いたハナモモを買いました。「更紗雲龍枝垂」とは異なり、1年枝は赤褐色しか見られません。翌年の春に、淡いピンクの花弁と、絞り花(淡いピンク地にピンクの縞)が見られました。2016年2月5日に、桃の節句にちなんで「雛祭り雲龍枝垂」と命名しました。2015年の記録によりますと、開花から落果までの期間がとても長く、173日ありました。核果は、粘核です。この品種のタネを播き、「平成枝垂」(枝垂れで一重咲きの桃色花)が現れています。

 

 

     2022(令和4)年3月29日  8203

 

 

     2022(令和4)年3月29日  8205

 

 

     2022(令和4)年3月29日  8209

 

 

     2022(令和4)年5月20日  3355

 

 青柳の いとよりかくる 春しもぞ 

      みだれて花の ほころびにける

                         『古今和歌集』

 

 


更紗雲龍枝垂

2022-07-28 04:42:35 | 観賞桃(100品種)

No.091 更紗雲龍枝垂  (サラサ ウンリュウシダレ)

   Prunus persica ❛Sarasa unryu-shidare❜

 〔緑葉・矮性・枝垂れ性・曲枝性・絞り花・八重咲き・普通桃〕

 

【由来など】2010(平成22)年6月17日に、神奈川県立花と緑のふれあいセンター「花菜ガーデン」で、初めて出会いました。ハナモモの中で、最も変わった(芸のある)品種です。油桃(ネクタリン)の「雲龍桃」と比較しても、普通桃・枝垂れ性・矮性および絞り花などの違いがあります。2種類の「雲龍枝垂」が見られる事から、2016(平成28)年2月5日に、「更紗雲龍枝垂」と命名しました。雲龍物なので枝が曲がるのは当たり前ですが、蘂と葉も曲がりくねっています。庭植えにするよりも、観賞用として鉢植え及び盆栽にされると良いでしょう。核果は、粘核です。

 

 

     2022(令和4)年3月30日  8500

 

 

     2022(令和4)年3月30日  8490

 

 

     2022(令和4)年5月22日  3364

 

 

     2022(令和4)年5月22日  3363

 

 陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆへに

      みだれ無と思ふ 我ならなくに

                河原左大臣   『古今和歌集』

 

 


一寸法師

2022-07-27 05:47:06 | 観賞桃(100品種)

No.090 一寸法師  (イッスンボウシ)

   Prunus persica ❛Issunboshi❜

    〔緑葉・矮性および帚性・絞り花・八重咲き・普通桃〕

 

【由来など】矮性帚桃に関する資料に、1987(昭和62)年の『神奈川県園芸試験場研究報告 第34号』があります。その品種は「更紗帚桃」の偶発実生苗で、八重咲きの桃色花です。この「一寸法師」は白地に桃色絞りの品種で、「更紗帚桃」と寿星桃の品種との交配組合せから作出されました。2016年5月31日の『平成時代の花桃』(中嶋久夫著)に掲載するために、栽培品種名を「一寸法師」としました。果実は並に着き、核果は離核です。大変珍しい観賞桃ですが、山梨県笛吹市の「まるきた花桃園」に1本植栽されていますので、一般の人でも見る事が出来ます。

 

 

     2022(令和4)年4月10日  9841

 

 

     2021(令和3)年4月03日  8426

 

 

     2022(令和4)年5月22日  3923

 

 

     2022(令和4)年5月22日  3926

 

 瓶にさす 藤の花ぶさ みじかければ

      たゝみの上に とゞかざりけり

                 正岡子規    『墨汁一滴』

 

 


早春源平桃

2022-07-27 05:03:13 | 観賞桃(100品種)

No.087 早春源平桃  (ソウシュン ゲンペイトウ)

   Prunus persica ❛Soshun genpeito❜

    〔緑葉・立性・絞り花・八重咲き・普通桃〕

 

【由来など】「源平桃」は、江戸時代の『花壇地錦抄』に紹介されてから400年以上たっています。その長い期間に実生変異が生じている事は、想像に難くありません。以前、「源平桃」に早く開花する木があると、吉田雅夫氏からお聞きしました。各地の桃の名所を見て歩き、それらしきものを茨城県の古河公方公園で見かけました。年により変化がありますが、3月中旬頃に花が開き始めます。寒さが残る頃、一日でも早く花が見たいものです。それに応えてくれる桃があることは、うれしい限りです。この品種が後世まで残るよう、接ぎ木による保存が待たれます。核果は、粘核です。『歌仙桃』に、掲載されています。

 

 

     2020(令和2)年3月21日  6863

 

 

     2022(令和4)年3月20日  6846

 

 

     2020(令和2)年3月21日  6869

 

 

     2020(令和2)年8月02日  1570

 

 まじはれる 神や染めなす 紅の

      塵にかすめる 世は春にして

                    正徹    『草根集』