フジモリは大統領就任演説で国民に訴える。
「我が国は独立以来、最大の危機に直面している。」
「インフレ率は天文学的数字に達し、国内の生産活動は壊滅的になり、テロが安全を脅かしている。」
「私は徹底した措置を取り込み、経済、社会の立て直しを行う。」
「Que Dios nos ayude!(神が我々を助け賜んことを!)」
フジモリは国民に痛みを伴う緊急措置をとる。
〇すべての政府による価格統制の撤廃
〇公共料金の改定
(ガソリン価格32倍に引き上げ等)
〇中央銀行での紙幣印刷停止(通貨発行禁止)
〇政府の消費を税収の範囲内に抑える
(歳出の抑制)
人々はこれを“フジ・ショック”と呼んだ。
「フジモリは公約違反だ!」
「ほかに手段がない。国が破産するよりましだ。」
「我慢しよう、フジモリは我々が選んだ大統領だ。」
抗議行動やストライキも散発的に起こったが、暴動は発生しなかった。
そして、インフレ率は徐々に下がっていく。
1990年前半の年率インフレ率は7600%だったが、同年後半は750%になった。
経済が安定化の方向に向かったことにより、人々のフジモリへの期待感が高まる。
そして、頭痛の種だった巨額の対外債務をIMF(国際通貨基金)や債権国と交渉し、減額させることに成功する。
また、日本からの借款供与も、とりつけた。
参考図:「フジモリ時代のペルー」、村上勇介、平凡社、2004
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