(原文)
Chapter ⅩIII The Navy in the Invasion of France( 1944 )
69.
“For now sits Expectation in the air.” By 1 June 1944 southern England began to swarm with British, Canadian and American soldiers in battle uniform, with their weapons and field equipment, marching along country roads by day, rolling in trucks and tanks by night through blacked-out villages and towns, whose citizens had been cautioned to reveal nothing.
All night long, no sound was heard but the clatter of army boots on paved streets, the “Hup, two, three, four; hup, two, three, four” of sergeants, the rattle of vehicles and the roar and putter of engines, as men marched and machines rolled to the water’s edge, there to board beaching craft on the “hards,” and transports at the docks, Gunfire support ships converged from northern ports in England and Ireland, and at a score of airfields paratroops climbed on board transport planes and gliders. No music, no flags, no crowds; only women and old men offering a last cup of tea and a hearty “God bless you!” Thus, efficiently and in silence, supported by the prayers of the free world, began the great invasion to crush Germany and liberate France.
(訳)
第13章 フランス侵攻での海軍( 1944年 )
69.
“今、空気中に大いなる期待が漂っている。” 1944年6月1日までに南イングランドは戦闘服に身を固め、武器や装備を携帯したイギリス、カナダおよびアメリカ兵に満たされた。 彼らは日中、田舎道を行進し、夜、トラックや戦車に乗って灯火管制された村や町を通過した。 それらの村や町の住民は、何事も他人に漏らさないよう、警告されていた。
舗装道路に響く軍靴の音、軍曹の歩調をとる“いち、に、さん、しー;いち、に、さん、しー”というかけ声、車両のガラガラ通過する音、エンジン音以外は一晩中、何の物音も聞こえなかった。 兵員と車両は共に、岸辺にむけ行進し、荷揚げ場で上陸用舟艇に乗り込んだり、ドックで輸送船に乗船した。 火力支援艦はイギリスやアイルランド北部の港から集合し、空挺部隊は飛行場で輸送機やグライダーに乗り込んだ。 見送る軍楽隊の音楽もなく、旗もなく、群集もいなかった。 最後の紅茶をさしだし、心のこもった“神のご加護を!”という言葉をかけたご婦人とお年寄りがいただけだった。 このようにして効率よく、静かに、自由世界の願いに支えられ、ドイツを打倒し、フランスを解放するための偉大なる侵攻を開始した。
(注釈)
ドイツ軍は連合軍の主攻勢方面をカレー地域と考えていたため、ノルマンディ上陸後の初期対応が遅れた。 ヒトラーの、ノルマンディが牽制作戦だとする思い込みのため、装甲師団の投入が遅れたと言われている。 東部戦線でも、イギリスがソ連をドイツとの戦争に引きずり込もうとしている、というスターリンの思い込みのため、戦闘準備が遅れ、ドイツ軍の奇襲によりソ連軍は大損害を受けた。 どんなに情報が正しく得られても、判断するのは最終的には人間である。
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