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 6.停戦

 2週間の戦闘でアゼルバイジャン軍はアルメニア軍を駆逐し、ナゴルノ・カラバフ地方の南部を制圧した。

 ステファンたちは元ナゴルノ・カラバフ自治州の境界付近で踏みとどまった。
「ここは俺たちアルメニア人の土地だ、最後まで戦うんだ!」

 ロシアの仲介により、4度にわたる停戦協議を経て、停戦が実現した。
2020年11月、アルメニアが実効支配していた地域は、旧ナゴルノ・カラバフ自治州の領域を除いて、アゼルバイジャンに返還される。

 ステファンらの義勇軍部隊は、ひとまず解散となった。
「同胞の強制移住でも始まったら、再び銃をとるぞ!」

 本質的な解決は先送りとなり、再度、武力衝突が起こりうる状態だ。


 このナゴルノ・カラバフ紛争の背景は複雑である。

 アフガニスタン、パキスタンと共に、イスラエル、トルコはアゼルバイジャンを支持している。
イスラエルとトルコはアゼルバイジャンに最新兵器を供給しており、特にトルコはコーカサス地方への影響力拡大を狙って、極めて積極的だ。

 一方、アルメニアを支持しているのは、フランスとイラン、ギリシャである。
ロシアはアルメニア、アゼルバイジャン両国に歴史的にも強いつながりを持っており、双方に影響力を持つ。

 近年、アゼルバイジャンはロシアとの関係を保ちつつ、欧米寄りの姿勢を見せている。
アルメニアはロシアを頼りにしている。

 参考図:「2020年ナゴルノ・カラバフ紛争」、Wikipedia
     
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