gooブログはじめました!

第4話(3)

テト攻勢(3)

 朝8時、政府軍ポストがベトコンに攻撃されている、との情報が入った。
秋山の乗った艇を含む5隻のPBRがおっとり刀で出撃する。

 その政府軍ポストは水辺にあり、5mほどの高さに構築されていた。
それが周囲から攻撃されていた。
何箇所から火災が発生している。

 赤と緑の曳光弾が激しく飛び交う。時々、オレンジ色の爆発が起こる。
艇隊はポスト前を行き来しながら、敵の発射火点にむけ、集中射撃を加える。
敵のロケット弾が、艇隊の間で炸裂する。
“ガシ!”破片が船体を叩く。

 「ガンシップ(武装ヘリコプター)の応援が必要だ!」

 ガンシップの代わりにF-100戦闘爆撃機がやってきた。
ナパーム弾を投下する。
密林が巨大な炎の塊に包まれた。

 銃撃音がまばらになった。
「敵は後退したようだな。しかし、夜にはまた攻撃してくるぞ。」

 基地まで半分ほど戻ってきたとき、水中ジェットのポンプが咳き込み始め、出力が低下した。
「クソ、故障か!」
他の艇は、見る見る遠ざかって行く。

 エンジンカバーを開け、水中ポンプの上部をはずし、内部を点検する。
なんと、川蛇がミンチになっていた。

 ベトコンに占領されたベントレの町をアメリカ陸軍の第9師団が攻撃し、ベトコンを追い払った。
しかし、ベントレの町は廃墟になってしまった。
     
     
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「大西洋」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事