The Spaniards in the Pacific (16)
As the Roman Catholic priests who belonged to the Portuguese set these orders at defiance and continued their missionary work and their proselytism, the Shogun was indignant; and his wrath was carefully and cunningly nursed by the Dutch, who saw great opportunities of advantage if they could have the Japanese market closed to all but themselves.
This is exactly what happened. In 1637 the Shogun issued an order banishing the Portuguese from Japan and closing the empire to all foreigners except Dutch and Chinese. On one pretence or another, however, the Portuguese continued to stop on for a couple of years longer, thinking that if they kept quiet, the Shogun might forget all about it.
But they were counting without the Dutch, who, directly or indirectly, jogged the Shogun’s memory, and showed him that Japan would be none the worse for the banishment of the Portuguese; for they －the Dutch－ could bring in all the European commodities which the Japanese required. So the Shogun sent the Portuguese a very stringent order to go at once and not return.
太平洋のスペイン船（１６）
ポルトガルのローマ・カトリック教の司祭たちは、これらの命令を挑戦と受け止め、彼らの布教活動を続けたので、将軍は怒った。 将軍の怒りはオランダ人により注意深く、向け目なく焚きつけられた。 オランダ人はこれを、彼ら以外のすべてに閉ざされた日本の市場を獲得できる最大のチャンスと見ていたのだ。
これは実際に起こった。 1637年に将軍は、ポルトガル人の日本からの追放と、オランダ人と中国人以外の外国人の日本への入国を禁ずる命令を布告した。 しかし、ポルトガル人はあれこれ口実をつけ、さらに1，2年居残り続けた。 かれらは、自分たちが静かにしていれば、将軍は布告のことを忘れてしまうかもしれない、と考えた。
しかし、彼らはオランダ人を考慮していなかった。 オランダ人は直接か間接かを問わず、将軍の記憶を呼び起こし、日本にとりポルトガル人の追放はちっとも悪いことではない－オランダ人が日本人の欲するヨーロッパの品物をすべて運んでこられる－といい続けた。 将軍はポルトガル人に、即刻退去し、戻らぬよう、厳しい命令を送った。
（ひとこと）
16世紀のヨーロッパでは、大航海時代を切り開き、世界中に植民地を獲得したスペイン、ポルトガル（カトリック）が栄華を誇っていた。 両国は植民地獲得とキリスト教布教を車の両輪として、世界に進出した。 しかし、17世紀に近づくとイギリス、オランダの新教国が軍事力、経済力でスペイン、ポルトガルを圧倒しはじめた。 アジアでもそれらの国々との綱引きが渦巻いていた。
〔参考文献：朝日百科「世界の歴史、16世紀」、朝日新聞社〕
