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第3話(3)

海戦(3)
 ニュージョージア島での激戦が続き、さらなる増援が必要となった。今度は第2水雷戦隊が、7月12日にラバウルを出撃した。軽巡「神通」を旗艦として、あと駆逐艦4隻で戦闘隊をつくり、陸軍兵士と軍需品を満載した4隻の駆逐艦を護衛した。

 レーダーにより、得意とする夜戦を封じられた日本海軍は、敵のレーダー波を検知する逆探知機を開発し、今回、戦闘隊の駆逐艦に装備していた。

 事前に日本艦隊の動きを察知した連合軍は、ニュージーランド海軍を含んだ軽巡3隻と駆逐艦10隻から成る、強力な艦隊を差し向けた。

 今度は、わが魚雷艇隊は全力で出動し、ニュージョージア島の島影に隠れた。
北上する敵艦隊が、南下する味方艦隊とぶつかった場合、あわよくば背後から攻撃しようという作戦だ。

 真夜中少し前、西方海域に黒い艦影が走る。2条の青白いサーチライトが海上をなめる。2分ほどして、火山が爆発したように双方の艦隊の一斉砲撃が始まった。

 無数の水柱とピカピカ光る閃光、爆発音が空間を満たした。
遠く、炎に包まれた黒い影が見える。

「全速前進!」
「魚雷戦用意!」

 敵艦隊も30ノット以上の速力をだしている。その頭を押さえる方向に艇を進める。
雷撃のチャンスは1回きりだ。

     
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