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第3話(2)

海戦(2)
 魚雷艇隊が戦闘海面に到着した時には、もう戦闘は終わっていた。
硝煙のにおいが鼻をつく。多くの漂流物が漂っている。
暗くしたカンテラで海面を照らす。

「おーい、味方だ。誰かいるか。」
「おーい、ここだ!」
重油の海で漂流物につかまっている3名の水兵を見つけた。

 ロープで水兵を引き揚げる。魚雷艇の甲板は滑りやすく、容易な作業ではない。
水兵は皆、重油で真っ黒だ。ホースで水をかけて洗い流す。
1名はひどい火傷を負っていた。

「ひでえ目にあったな。」
「突然、集中砲火を食らったんだ。敵はレーダーを持っているに違いない。」

 3隻で十数名を救助し、夜明け前に基地に帰投した。

 このクラ湾海戦で、日本軍は敵の先制攻撃により、旗艦の駆逐艦を沈められたが、残った2隻の駆逐艦の魚雷攻撃でアメリカの軽巡洋艦1隻を撃沈した。あと、輸送隊の駆逐艦1隻を座礁と爆撃により失ったが、増援部隊と補給物資の揚陸には成功した。
〔参考文献:新人物往来社戦史室編「太平洋戦争海戦全史」、新人物往来社〕

     
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