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第6話(2)

すべては藍色の闇の中(2)

 「魚雷戦用意!」
「待って下さい、艦長、相手が誰だかわかりません、中国の潜水艦かもしれません!」
「よしんばアメリカの潜水艦でも、警告だけかもしれません!」

 「中国でもアメリカでも、我艦が捕獲されたらどうなる!」
「祖国への裏切り行為で、帰国できても、全員銃殺だぞ!」
「-----------------------」
「左140度、艦尾魚雷同時発射!」

 “ハーダー”のソナー員が叫ぶ。
「左舷前方に高速スクリュー音!」
「何!そんな馬鹿な!」
「3-1-0 魚雷2本接近中!」

 「舵、3-1-0」「潜舵上げ舵一杯」
艦首を魚雷の来る方向に向け、上昇させる。
「音響妨害装置の出力上げ」
1分1分が十倍も長く感ずる。

 「一本、艦底を通過!」
「一本、左舷よりを通過!」
全員、ため息をつく。
「正当防衛だ、一発でしとめるぞ!」

 「潜舵下げ舵5度」
「魚雷戦用意!」
「ターゲット、距離5000、方位3-0-0」
「発射用意」
「発射管注水」
「発射管前扉開け」
「一番発射!」

 発射したMk48魚雷は音響誘導魚雷で、最初は有線で潜水艦から誘導する。
その後、魚雷の頭部についたソナーで、魚雷自身が目標を探知し、自動追尾する。
探知できるまで、螺旋航走を繰り返す。

     
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