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第3話(4)

 ミサイル、撃て!(4)

 水平線上に閃光が走った。
続いてもう1つ、さらに1つ。
黒い水平線上にボンヤリした明かりが、チラチラ見える。

 レーダー画面から、敵のミサイル艇3隻のうち、2隻が消えた。
1隻は港への遁走を計っている。

 それを遮る形で艇隊は突進する。
シリア艇は港へ到達できないとみて、陸に乗り上げた。

 ミサイルは陸塊のため、役に立たない。
艇隊の司令官は、火砲でそのミサイル艇を粉砕することを決意した。

艇隊が陸に近づいたとき、陸上に閃光が走る。
艇隊の前方に砲弾が着弾し、水柱を上げる。

 指令艦艇のみ、陸に向かう。
座礁した敵ミサイル艇の1キロ手前で、指令艦艇の40ミリ機関砲が火を吐いた。
赤い曳光弾の矢が敵艇に吸い込まれていく。
目標は炎に包まれ、爆発し始めた。

 こうして史上初の、ミサイル艇同士による海戦は終わった。

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 帰路、アミルは全身の力が抜け、ハンモックに横になった。
目がさえて、寝付けない。
“生き残った!”
“しかし、明日はわからない。”

 開戦3日後、エジプト方面にもイスラエルのミサイル艇隊は出撃した。
艇隊は真夜中過ぎ、バルティーン沖でエジプトのミサイル艇4隻と交戦状態に入った。

 今回も、イスラエル艇隊は、敵のアウトレンジ戦法をはねのけ、敵に肉薄した。
そして、ミサイルを撃ち込み、3隻を沈めた。

 開戦当初、イスラエル軍は陸上では苦戦を強いられたが、海上ではアラブ軍を圧倒したのである。

     
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