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第1話(2)

 ヴィッカース社(2)

 ロンドンからヴィッカース社のあるイギリス西部のバローに移動する。

 車窓からは、緑したたる田園風景が広がっているのが見える。
“なんて平らな土地なんだろう、うらやましい限りだ。”

 しかし、風景に浸っている余裕はない。
寸分を惜しんで、今後のスケジュールの打合せをする。

 夕方、広大なヴィッカース社の造船所についた。

 戦艦「金剛」設計主任ジョン・サーストン卿に着任の挨拶をする。
卿は背の高い、目つきの鋭い英国紳士だったが、我々を温かく迎えてくれた。

 担当者から「金剛」の建造状態の説明を受けた後、明日からのスケジュールの調整を行った。


 宿舎に案内され、遅い夕食をとる。
硬い肉とジャガイモとキャベツのスープ、ライ麦パンの質素なものだった。

 ここで吸収すべきことが山のようにある。
興奮してなかなか眠れなかった。


 6時起床。外はまだ暗い。
7時始業。
大勢の作業員、所員が各工場や部署に散っていく。

 担当のリード氏に案内され、各部署を回る。
「金剛」は一番奥のドック内で、船体建造中だった。

 足場が組まれ、艦底部分はすでにできあがっていた。
巨大なガントリークレーンが船殻の一部をつり下げて動き回る。
大勢の作業員が足場に取り付き、船体を組み立てていく。

 次の機械工場では、「金剛」に取り付ける缶や蒸気タービンの一部が制作中だった。
機関は我が国の弱いところで、大いに勉強する必要がある。

 次に兵器工場に向かう。
そこでは「金剛」にのせる巨大な36センチ連装砲塔部分が製作されていた。
この分野も我らが大いに吸収しなければならない所だ。

  参考図:http://dragoner-jp.blogspot.jp/2014/06/blog-post_6.html
     
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