gooブログはじめました!

英語で読む海戦史(62)

原書は、著名なアメリカの海戦史家Samuel Eliot Morisonの「The Two-Ocean War」です。内容は第2次世界大戦におけるアメリカ合衆国海軍の太平洋と大西洋における戦いを描いたものです。日本との太平洋における戦いの部分に関しては、光人社から「モリソンの太平洋海戦史」(大谷内一夫 訳)として出版されています。あまり知られていない、ドイツとの大西洋における戦いの部分に関して、英語の勉強をかねて読んでみました。

(原文)
Chapter ⅩIII The Navy in the Invasion of France( 1944 )
62.
     The Air Forces contributed heavily to blockading the Channel to U-boats. And they destroyed stockpiles of the newly invented German V-1 guided missiles (the so-called “buzz-bombs”), and some of their launching sites. These were too small-many of them mobile-and too well protected by antiaircraft guns to be eliminated by air bombing alone. But the results of this air operation CROSSBOW which cost the A.A.F. and R.A.F. hundreds of lives, was to destroy so many missiles that the Germans were unable to start them off until 12 June, when most of the invasion forces were already in France.

Finally, an essential part of the assault plan was two night airdrops of unprecedented size, two divisions in each sector. In the American, behind Utah Beach, the 82nd and 101st Airborne, commanded by Major Generals Matthew B. Ridgway and Maxwell D. Taylor made the drop. The object was to confuse the Germans and seal off the land approaches to the Utah beachhead, which they did admirably. Thus, the air power leg to the Allied military tripod was more than sufficiently stout; it was unbreakable.   
            
(訳)
第13章 フランス侵攻での海軍( 1944年 )
62.
     空軍は、英仏海峡へのUボートの侵入を防ぐのに大きく貢献した。  さらに空軍は備蓄されたドイツの新兵器、V-1誘導ミサイル(ブンブン爆弾と呼ばれていた)と発射台のいくつかを破壊した。  これらの発射台は非常に小さく、多くは移動式で、空爆だけで排除するにはあまりに良く対空砲により防御されていたのである。  しかしながら、この空爆作戦“クロスボウ(石弓)”は、アメリカ空軍とイギリス空軍に数百人の犠牲を強いたが、多くのミサイルを破壊したので、ドイツ軍は6月12日までミサイルを発射できなかった。  その時には、大部分の侵攻部隊は既にフランスにいたのである。

     締めくくりとして、攻撃計画の基本的部分は各域に2つの師団を降下させる、空前の規模の2つの夜間空挺作戦だった。  アメリカ軍では、ユタ海岸の後方に、マシュー・B・リッジウェイ少将とマックスウェル・D・テイラー少将に指揮された第82と第101空挺師団を降下させた。  目的は、ドイツ軍を混乱させ、ユタ海岸に陸上から接近するのを阻止することだった。  そして、降下部隊は見事にそのことを行った。  このように、連合軍への空からの支援は十分すぎるほどしっかりしたものだった。  そして、それは破れなかった。   

(注釈)
     大戦時の大規模な空挺作戦はそれほど多くない。  ドイツ軍によるクレタ作戦(1941.5)、ソ連軍によるドニエプル作戦(1943.9)、連合軍によるノルマンディー作戦(1944.6)、アルンヘム作戦(1944.9)などがある。 空挺部隊は軽装備であるため、作戦成功のためには、タイミングが重要となる。  奇襲効果の高い小規模の空挺作戦は別として、華やかに宣伝された割には大規模な空挺作戦は損害が大きく、貢献度も期待された程ではなかった。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「大西洋」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事