19世紀にはじまった産業革命は繊維工業を発展させ、原料である綿花の需要が飛躍的に高まった。
アメリカ合衆国南部は肥沃な土地であり、作物の栽培に適していた。
南部の農園主はこの綿花の需要に目を付け、大規模な綿花農園(プランテーション)をつくる。
農園の経営には安価な労働力が必要だった。
そのため、労働力として大量の黒人奴隷が使われる。
安価に生産された綿花は、主にイギリスに輸出され、そこで製品化された繊維製品は世界各国に売られる。
綿花の輸出額はアメリカ全体の輸出額の6割に達した。(1860年)
そこで得た資金で、南部はヨーロッパから日用品やぜいたく品を輸入する。
南部は綿花帝国として、大いに繁栄する。
大農園主たちは、大邸宅に住み、ヨーロッパ風の貴族社会を形成した。
「風と共に去りぬ」の主人公、スカーレットも大農園主、オハラ家の長女として優雅な生活を送る。
しかし、それらの生活は350万人の黒人奴隷に支えられていた。(南部の総人口900万人)
さらに大農園主は、一握りの30万人で、他は小規模農民や小市民だった。
参考図:「南北戦争記」、ブルース・キャットン、バベルプレス、2011
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