ROMANS AND CARTHAGINIANS (17)
The Consuls, who had no idea of being advised by more sailors, were unfortunately not to be shaken in their determination; and so, when Sicily was sighted, a course was shaped from Lylybeum to the promontory of Pachymus. The fleet had accomplished about two-thirds of this distance, and was just opposite a coast where there were no ports, and where the shore was high and rocky, when, with the going down of the sun, the north wind, which had been blowing steadily for several days, suddenly died away, and as the Romans were engaged in furling their flapping sails they observed that they were heavy and wet with the falling dew, the sure precursor of the terrible “Scirocco.”
Then the pilots urged the Consuls to pull directly to the southward, that they might have sea room sufficient to prevent them from being driven on shore when the storm should burst upon them. But this, with the dread of the sea natural to men unaccustomed to contend with it, they refused to do; not comprehending that, although their quinqueremes were illy adapted to buffet the waves, anything was better than a lee shore, with no harbor of refuge.
ローマとカルタゴ(17)
多くの船乗りの忠告に耳を貸さなかった執政官は、不幸にも自分たちの決定に自信を持っていた。 そのため、シシリア島が見えた時、リリュバエウムからパチーマス岬へのコースをとった。 艦隊がほぼその2/3の行程に達し、その反対側の海岸には港もなく、高く岩だらけの海岸になったその時、太陽が沈み始め、数日間安定して吹いていた北風が突然やんでしまった。 ローマ人達がばたばたしている帆を巻き上げているとき、彼らは恐ろしい”シロッコ“の前兆である重く、露を含んで湿り気のある空気を感じ取った。
水先案内人は執政官に、直ちに南(海寄り)に引き揚げるよう薦めた。 なぜなら、嵐が襲ってきたとき、自分たちが危険な海岸に持っていかれるのを防ぐ十分な操船余地があるだろう、と思ったからである。 しかし、こういった状況への対処に慣れていない人間の常としてもつ、海への恐れから、執政官は南に行くことを拒絶した。 彼らの4段櫂船は波に激しく揺さぶられ悪戦苦闘するだろうけれども、避難する港がない海岸に行っての破滅よりかは良いだろうことを理解しなかったのである。
(ひとこと)
大西洋や北海に比べればずっと穏やかな地中海だが、時として暴風雨が発生する。 古代における地中海の航海適期は5月末から9月中旬といわれる。 本文での季節は春なので、運悪く嵐にぶつかったのだろう。 アフリカのサハラ砂漠から地中海をこえてイタリアに向け吹く、高温の南風を“シロッコ”と呼んでいる。 戦争、とくに海の戦いにおいて気象情報は極めて重要な情報となる。 日本海軍においても独自に気象部隊を持ち、各地の気象情報を観測、予測していた。 国内の気象情報も軍事機密として、一般市民には知らされなかった。
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