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トラファルガル海戦(27)

 原本はイギリス人、Shippen Edwardにより書かれた「Naval battles of the world: from Salamis to Japan Sea」(1905年刊)で、サラミスの戦いから日本海海戦までの歴史的な海戦を紹介している。 日本は周囲を海に囲まれてはいるが、とても海洋国家とはいえない。歴史の舞台では忘れられがちな部分にスポットを当ててみよう。

TRAFALGAR (27)
 There was then a fresh southerly wind; but thirteen of the prizes, which had remained under way, were towed to the westward. But at five o’clock next afternoon it was found that the Redoutable was sinking, which she did, with many French prisoners and her prize crew on board. Some ware saved on a raft, many were lost. Other fearful casualties occurred during the rough weather of the succeeding night. The Fougueux was lost, with all on board but twenty-five; and the Algesiras was given up to the prisoners, who carried her into Cadiz. The Bucentaure was wrecked, but her crew was saved.

 A heavy gale continued, and the French Captain, Cosmao-Kerjuliaen, with five ships and five frigates, recaptured two of the prizes, which were drifting about. But in doing so one of his own ships, the Indomptable, a fine eighty-gun vessel, was wrecked, with all on board lost; and the Spanish ship St. Francis d’Assis was lost, with most of her crew. Other casualties occurred.

 Altogether, of the ships captured by the British, at the end of the operations only four-one French and three Spanish 74’s-remained as trophies in the hands of the conquerors.

トラファルガル海戦(27)
 さわやかな南風が吹いていた。  残っていた13隻の拿捕船は西へと曳航された。 しかし、夕方の5時ごろ、ルドウタブルが沈んでゆくのが見られた。  同船には多くのフランスの捕虜とイギリスの拿捕要員が乗っていたのである。  何人かは救命筏に救助されたが、多くの人は助からなかった。  その後の夜の荒天の中で新たな恐るべき惨事が発生した。  25人を除いた全乗組員を乗せて、フグーは沈没した。  アルヘシラヌは捕虜に乗っ取られ、彼らは同船をカディスに持ち帰った。  ビュサントールは難破したが、乗組員は救助された。

 暴風雨が吹き荒れる中、5隻の戦列艦と5隻のフリゲート艦を率いるフランスのコスマオ・ケルジュリアン艦長は漂流していた2隻の拿捕船を奪い返した。  しかし、そうしている時、自分の艦隊中の1隻、素晴しい80門艦インドムタブルが難破し、乗務員全員が失われてしまった。  そして、スペイン船サンフランシスコ・デアシスも多くの乗務員と一緒に失われた。  ほかにもいくつかの犠牲が発生した。

 しかしながら、イギリスにより拿捕された船の内、作戦終了時には、たった4隻-1隻のフランス艦と3隻のスペインの74門艦-のみ、勝利者の手にトロフィーとして残った。

(ひとこと)
 フランス海軍はイギリスに完敗したが、陸軍は一時、ヨーロッパ大陸を席巻した。  その強さの源は何だったのだろう。
 ○革命により国民としての意識が高まり、将校、兵士の士気が高かった。
 ○徴兵制で大量の兵士を集められた。
 ○機動戦を作戦の要とした。
 ○歩兵、騎兵、砲兵をたくみに組み合わせた。
 ○ナポレオンの前線指揮。
 ○兵站の現地調達による迅速な移動。
〔参考図:ティエリー・レンツ著、福井憲彦監修「ナポレオンの生涯」、創元社〕
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