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トラファルガル海戦(28)

 原本はイギリス人、Shippen Edwardにより書かれた「Naval battles of the world: from Salamis to Japan Sea」(1905年刊)で、サラミスの戦いから日本海海戦までの歴史的な海戦を紹介している。 日本は周囲を海に囲まれてはいるが、とても海洋国家とはいえない。歴史の舞台では忘れられがちな部分にスポットを当ててみよう。

TRAFALGAR (28)
 The Victory, towed by the Neptune, arrived at Gibraltar on the28th of October, and on the 3d of November, having been partially refitted, she sailed for England-having Nelson’s body, preserved in spirits, on board. At Chatham the Admiralty yacht received the coffin, which was made of the main-mast of the French flag-ship Orient, which was burnt at the battle of the Nile-and which had been presented to Nelson by Captain Hallowell. This was placed in a leaden coffin; and his flag, which had been kept at half-mast on board the Victory, was struck for the last time.

 His body, laid in state at Greenwich Hospital; and on the 9th of January, 1806, was buried, with great pomp, in St. Paul’s Cathedral.

 Lord Nelson was engaged in action with an enemy over one hundred and twenty times, and besides being severely wounded elsewhere, lost his right eye and his right arm. He had not long passed his forty-seventh birthday when he was killed.

トラファルガル海戦(28)
 ネプチューンにより曳航されたヴィクトリーは10月28日ジブラルタルに着き、部分的な修理を受けて、11月3日にイギリスに向け出帆した-アルコール中に保存されたネルソンの遺体と共に。  チャタムで海軍本部のヨットが棺を受け取った。  その棺は、ナイルの海戦で炎上したフランス旗艦、オリエントのメインマスト-それはハロウエル艦長よりネルソンに送られたものだった-で作られた。  この棺は、さらに鉛製の棺に彼の旗と共に納められた。  その旗はヴィクトリー船上に半旗として揚げられていたもので、最後の瞬間に降ろされたのである。

 ネルソンの遺体はグリーンウィッチ病院に置かれた後、1806年1月9日、セントポール大聖堂に荘厳さのうちに埋葬された。

 ネルソン卿は敵と戦うこと120回、全身に傷を受け、右目と右腕を失った。  彼が戦死したのは彼の47回目の誕生日が過ぎてまもなくだった。

(ひとこと)
 イギリスは、本海戦の勝利によりナポレオンのイギリス侵略を阻止した。  対仏大同盟を再び組織し、1815年に最終的にナポレオンを打ち破った。  その後、産業革命を梃子に海軍力を充実させ、海洋国家として七つの海を支配し、大英帝国の覇権を確立して行く。
 フランスは本海戦の後、大陸での覇権を目指して軍を進め、1812年にはイギリス、ロシアを除く全ヨーロッパを支配下におさめた。  しかし、60万の大軍を率いたロシア遠征が惨憺たる結果に終わった後は下降線をたどり、1815年ナポレオン帝国は崩壊した。  その後、フランスは王政にもどったが安定せず、他のヨーロッパ諸国との競合が続く。
〔参考図:有坂純「敗者が描いたトラファルガル海戦」、歴史群像、N0.88、学研〕
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