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第1話(4)

基地進出(4)
 隊員が忙しく立ち働いているとき、突然頭をどやしつけるような空襲警報が鳴り響いた。
「退避!」
皆が蜘蛛の子を散らすように退避壕や防空壕に走り去った。 小艦船は島影に隠れ、飛行場の航空機は空中退避に飛び立った。

 数分後、ごうごうと不気味な爆音が近づいてきた。  退避壕内の壁が小さく振動しだし、落ち着かない日下部は隣の小松を突っついた。
「おめえ、ちょっくら隙間から外の様子を見てこいや」
渋々小松は入口に近づき、木枠の隙間から空を見上げた。
「大型機の大編隊です。 20から30機はいる!」

 B-17の編隊が高度5000m付近を悠々と飛行してきた。 翼が時々キラッと光る。 頭上を通り過ぎた編隊の前後に高角砲の弾幕がボッ、ボッと広がる。 突然、機体が不安定な動きをする。 

 ドス、ドス、ドスとすさまじい地響きがして、小松は壕内に投げ飛ばされた。 壕内は激しく揺れ、壁土が皆にシャワーのようにふりかかった。
「飛行場が狙われたな!」

 爆音が通り去ったので、皆は土埃をはらいながら壕内から出てきた。 2Km程離れた飛行場付近から爆煙が数十mもの高さに立ち上っている。
     
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