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第5話(6)

撤退(6)

 コロンバンガラ島からの撤退部隊は、ブインに撤収した。魚雷艇隊は、その入口にあるショートランド島に移動した。

 島には水上機基地があり、そこに居候することになった。爆撃や艦砲射撃を受けているとはいえ、まだ基地周辺は緑豊かだ。

 制空権を奪われているので、水上機も夜間の活動となる。毎夜、南のベララベラ島の連合軍基地への偵察と爆撃を繰り返している。爆撃といっても、単機で小型爆弾を2、3個落とす程度だから、いやがらせのようなものだ。

 到着から2日ほどたった夜、爆撃に行った水上機が損傷し、復路半ばで海上に不時着したという無線連絡が入り、艇隊は救助要請を受けた。居候ゆえ、断れない。

 闇夜の中、2時間ほど走り、予定海域に着いた。
めずらしく波が高く、見通しがきかない。信号弾や照明弾は、敵を呼び寄せるため、使えない。ジグザグに走り、目標物、漂流物を探す。

 「飛行機が沈んでいたら、見つけるのは難しいぞ。」
「ここいらへんは、サメが多いしな。」
時々、短く青い信号灯を照らす。

 1時間後、運よく、沈みかけた飛行機の主翼にしがみついている2人の飛行士を見つけ、救助した。
 
     
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