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海賊王、モーガン(4)

 原本はイギリス人、Laughton, John Knoxにより書かれた「Sea fights and adventures, described by John Knox Laughton」(1901年刊)で、カリブ海を舞台に私掠船(しりゃくせん:国黙認の海賊船)の活躍を青少年向けに描いています。  現在騒がれているソマリア沖や南シナ海の海賊と違い、当時の私掠船は国同士の勢力争いの影の尖兵の感があり、また植民地からスペインが奪った黄金財宝を横取りするという爽快感もあります。  まずは読んで見ましょう。

Morgan, the king of buccaneers(4)
 These were the original buccaneers, so called from their habit of living principally on strips of beef which they dried in the smoke of a fire kindled under a sort of hurdle. Even now, hunters in South Africa and the Boers live a good deal on beef dried in this way, which is called “jerked beef.”

 When the Spaniards got the upper hand, they hanged their prisoners as pirates. When the buccaneers got the better, they generally roasted their prisoners at a slow fire, to make them tell where their treasure was hidden. If roasting had not the desired effect, other measures were taken with still greater disregard of the prisoners’ feelings. Tying a piece of whipcord round the head and twisting it tightly, till the eyes were on the point of starting out of their sockets, is said to have been peculiarly effective.

海賊王、モーガン(4)
 これらは最初のバカニーアで、火を燃やした煙で木製の網にのせた野牛の肉を燻製して、主に生計をたてていたことからバカニーア(燻製野郎)と呼ばれた。  現在でも南アフリカのハンターやボーア人は、これと同じ方法で燻製肉-“ビーフ・ジャーキー”-を作って暮らしている。

 スペイン人が勝ったときは、捕虜を海賊として縛り首にした。  バカニーアが勝つと、隠した宝のありかを白状させるため、彼らは弱火で捕虜をあぶるのを常とした。  もしそれが期待した効果が出なかったときは、捕虜の感情をまったく無視した他の拷問方法がとられた。  頭を鞭縄で巻きつけ、眼球が眼窩から飛び出る寸前までねじりあげる、という方法はとりわけ効果的だったという。

(ひとこと)
 バカニーアの生態や活動を記した実録本として、エスケメリングが1678年に出版した「アメリカの海賊」がある。  著者は1666年から8年間西インド会社の理髪師兼医者としてカリブ海の島に勤務し、その間に見聞きしたバカニーアの話をまとめたもので、カリブ海の海賊に関する最良の参考書になっている。
〔参考文献:増田義郎著「図説 海賊」、河出書房新社〕
     
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