翻訳で困ること

2006年03月20日 | Weblog
 ここんとこ、米国国立補完代替医療研究センターが発行している文書を読んで日本語に翻訳する日々が続いている。目的は、勿論勉強の為。今は幅広く知識を身につけるべき時期だと考えているから。
 で、困るのが、どうやっても日本語に出来ない単語がぞろぞろ出てくるところである。例えば、"Primary health care"なんて単語がある。直訳すると"Primary"は「第一次」なんだけど、"health care"はいきなり「ヘルスケア」にしかならないのである。次候補として「医療」「健康管理」「保健」「医療保障」「保健医療」があるけど、これらの単語の頭に「第一次」をくっつけても、実際にどういう事なのか、何を意味しているのかはさっぱりわからん。だって、日本の医療には「第二次」以降がないんだから、「第一次」なんてもの自体存在しない。
 結局、"Primary health care"を訳そうとしても、どうしようもなく、仕方なく「プライマリー・ヘルス・ケア」とするしかない。はっきり言って、その意味はわからん。
 "health care provider"も同様である。第一、"Complementary and alternative medicine"を「補完代替医療」とするのだって、無理矢理な直訳だ。「『補完代替』医療」が存在するということは、つまりは「医療」には
(1)現代医療
(2)補完代替医療
(3)その他のインチキくさい医療(っぽい行為)
の三分類が存在することになるんだけど、日本では(2)と(3)の区別がないに等しいからなぁ。敢えて定義すると日本で(2)は、厚生労働省が免許を発行する鍼灸マッサージ・柔道整復・理学療法になるんだけど、実際には(2)よりか免許の不要な(3)の方が繁盛するんだからなぁ。

 単語一つから、日本とアメリカの医療制度の違いが垣間見える。面白いと言えば面白い。
 そして、この「違い」が何らかのヒントになる気もする。

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