先に制作された[SKIN/短編]との同時上映。
Black Lives Matter運動が高まりをみせるいま、このタイミングでこの映画を観られたことは本当に意味のあることだと思う。
差別主義者に育てられた少年の物語(短編)。
差別グループからの脱会を決めた男の物語(長編)。
ふたつの物語には同じようなシーンも出てくるけれど、直接リンクはしておらず、全く別の視点から差別というものを捉えている。
差別とは何なのか、どうやって差別主義者が生まれるのか、強烈で衝撃的な描写で悲劇の連鎖を描いた短編。
白人至上主義者の青年がひとりの女性と出逢い、組織からの脱会を決意するも、壮絶な報復と苦痛が待ち受ける長編。
今なお止むことのないレイシズムの連鎖を、どのように断ち切るのか?人生をやり直すことはできるのか?
レイシズムは日本人の私たちには関係のないこと?いいえ、ちがう。
世界に寛容は存在する?きっと、する。
さまざまな想いをめぐらせながら、肚にどすんと重たいものを抱えながら、それでも目を背けずにみて、認め、悩み、考える。
そんな映画。
モヤモヤする。
でもそれが、大切。
主演のジェイミー・ベル、ダニエル・マクドナルドの神懸かりの演技も圧巻。
そしてなによりこの映画の恐ろしいところは、これが実話に基づいているということ。
やはり私たちが、目を背けて良い映画ではないし、知らぬフリをして良い事実ではない。
モヤモヤを、
気持ち悪さを、
やるせなさを、
そして強い愛を、
しっかりと刻む。
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