ぼやきぼやかれ、ふりふられ。

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人間失格。 人間、失格?

2014-09-26 00:21:02 | 日記
何年かぶりに、太宰治の
[人間失格]
を読みかえしてみた。

「人間、失格。
もはや、自分は、完全に、人間ではなくなりました。」
廃人と化した主人公の葉蔵が病院に入れられる際の言葉。

それでも
「神様みたいないい子でした」
と慕われた、主人公。
それでも、上手に生きられなかった、主人公。
太宰自身の、投影。

あぁ、これはまさに、
心の拠り所しだいで、毒にも薬にもなる小説だ。

そういえば、
三島由紀夫も
「何のために生きているかわからないから、生きていられる」
と言っていた。

「生きる理由はないが、また、死ぬ理由もない。人生は苦労して捨てるほどの価値もない」
ジャック リゴーは言った。

人生は、そんなに絶望的なものですか?

「たとえ僕の人生が負け戦であっても、僕は最後まで戦いたいんだ」
命を燃やして描き続け、儚く散っていった、ゴッホ。

「私は生かされている。
生かされているという宿命のなかで、せいいっぱい生きたいと思う。」
死を感じ、生を受け入れ、絵筆に込めた東山魁夷の思い。

たとえばそれが絶望へ続く道でも、私もきっと進んでゆくだろう。遅々として進まない歩みにイラつきながら。立ち止まりながら。小さな愛を探して進んでゆくだろう。

「人生で最もすばらしい癒し、それが愛だ」
ピカソが言った。
そうか、癒しだ。
小さな愛は大きな癒しとなって、行く先に光をくれる。

さ、進もう。
傷つき、傷つけながら、進もう。

高見 順は、言った。
「傷ついたのは、生きてきたからである」




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