Kiwi - diary

life mostly in Saitama and Tokyo.

ネクスト・マーケット C.K. プラハラード

2010-07-12 | 
ハードカバーで分厚く重いので、持ち歩いて手軽に読めないのが少々難点。でも事例が豊富で読みごたえのある一冊。原題はThe Fortune at the Bottom of the Pyramid. 一日2ドル未満で生活する経済ピラミッドの底辺に位置する人々を「消費者」と捉え、その巨大な市場を相手にしたビジネスを展開する戦略について解説する。貧困層を援助対象と見るのではなく、顧客として扱い、パートナーとしてもビジネスモデルに組み込むことでWin-Winの関係を築く。といっても、最底辺層の市場を開拓するには先進国や途上国の富裕層へのモデルを修正するくらいではだめで、BOP向けにビジネスモデルを一から作り直し、コスト構造を抜本的に変革しなければならない。それを成し遂げた企業としてケーススタディとして取り上げるのは以下。

1.カサス・バイア(ブラジル、小売)
貧困層への信用販売ビジネスで急成長。債務不履行率を低く抑えるのが鍵。
2.セメックス(メキシコ、セメント製造)
貯蓄をさせることによって住居増築の手助けをする。
3.ヒンドゥスタン・リーバ・リミテッド(ユニリーバのインド法人、食品)
ヨード不足を補うためのヨード強化塩販売。
4.ヒンドゥスタン・リーバ・リミテッド(ユニリーバのインド法人、化粧品)
NHKスペシャルでも取り上げられていたシャクティ・プログラムによる女性の活用とBOP市場への石けんなどの販売。
5.ジャイプル・フット(インド、義足製造)
30ドルで貧困層の生活スタイルに合った(農作業をする、など)義足販売。(米国では8000ドル)
6.アラビンド・アイ・ホスピタル(インド、眼科)
眼科治療に特化した病院。
7.ICICI銀行(インド、金融)
貧困層への金融サービス
8.ITC e-チョーパル(インド、農産物商社)
農民が仲買人に搾取されず、自立的に農産物を売ることができるようにITの仕組みを整えた。
9.ボクシーバ(ぺルー、衛生)
感染症の拡大を防ぐネットワークの構築。


最新の画像もっと見る