図書館で良書の推薦

ブログのアクセス解析を見る時に、検索ワードはいつも確認するようにしています。どんな検索からこのブログに行きついたか、知りたいからです。数日前は「図書館で良書の推薦」という語句で検索されていました。思い込みかも知れませんが、私に質問が来たような気がしましたので、意見をまとめてみます。
私は、図書館で良書が推薦されるのは、構わないと思います。全然あてどなく本を探しに来た人もいるでしょうし、迷ったらとりあえずそれを見ればいいし、プログラムにも幅をもたせることができます。人と話をするときの共通言語にもなるし、物差しの目盛のような感覚があります。
ただ、ボランティアにも同じ傾向の本を市民に勧めよと教え込むのは、間違っていると思います。
ましてや、古典本を神格化してそれにひれ伏すようになっている人を見ると、どうすればいいかオロオロします。

数種類、最近、図書館がボランティア入門講座の時に使った資料を手元に持っています。学校図書館ボランティアを対象にしたものもあります。
それらはどれも、ボランティアに「読み継がれた良書」を勧めるように教え込んでいます。
今も、「巻末に出版年が書いてあるから、それを参考に。理由があって読み継がれているのだから」などと文が添えてあるチラシもあります。

でも、たくさん増刷され読み継がれても、良書にもお薦めリストにも入らない絵本というのはかなりたくさんあります。こういうのは「絵本だと思っていない」のでしょうか。前出の「あかちゃんのあそびえほん」のシリーズもそう。ノンタンとか、大衆的な本がそれにあたります。
そういうところを突っ込む人はあんまりいませんね、とくに読み聞かせボランティアは優等生が多いので、なんとなく言葉を飲み込むところがあります。説明を受けた瞬間は「???」と思うんですけどね。
ところで、こういった本は、最近の絵本リストの本では「電車の中など、とにかく黙ってて!というときに使える本」などというくくりで紹介されていますね。とてもいいと思います。
こういうのは子どもの文化の本だと思うんです。だから子どもが黙って受け入れてくれる場合が多い。
こういうのを「子ども文化の本」のカテゴリーにして「良書」「読み継がれた本」として、図書館のリストに入れてくれればいいのに、と思っています。
そういうことは、司書のプライドが許さないのかも知れません。でも大勢のボランティアは気づいています、そういうプライドを捨てないと、子どもとか、異世代の人と交流できないんだよね。自分の殻に閉じ籠った人みたいに見られるからね。

 昔話の絵に例えて説明します。私たちの少し上の年代は、アニメの日本むかしばなしで子育てした人たちだから、それを否定することは、とっても失礼なことなんですよね。埼玉福祉会で昔話紙芝居が続々出版されているけど、その絵は確かにアニメっぽいし、テレビで放映されたあの絵を連想させるところがあり、懐かしがって「良い絵だね」という人も多いんです。日本古来の民俗の描写としてアニメっぽい昔話絵本を排除する見方もあるかもしれませんが、「子どもの文化」にしっかりと寄り添うことは、昔話の継承にとても大切だと思う。

 要するに、「良書」の中に「子どもの文化」を含めることができるかどうかが分かれ道なんだと思いますよ。

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 読み合い 手づくり紙芝... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。